JEITA佐々木会長「“地産地消”を進めれば必然的に国内生産比率は下がる」製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2013年12月25日 07時30分 公開
[三島一孝,MONOist]
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国内生産は2007年の6割弱に縮小

 一方、電子工業の国内生産については、“アベノミクス”による好影響は出つつあるものの、2013年もマイナス傾向が続いた。ディスプレイデバイスや半導体の好調などはあったが、デジタル機器の不振や生産撤退の影響が大きく、2013年の国内生産額は同3%減の11兆4187億円となり、3年連続のマイナスとなった。この額は2007年の約20兆円の6割弱であり、海外移転や海外委託による国内生産の縮小が急速に進んでいることを示している。

 ただ、月ベースでは2013年8月以降は前年同月比でプラスに転じており、2014年については、同3%増の11兆7804億円と反転することを予測している。

 海外生産比率については、2013年は3%上昇し65%となった。2014年は海外生産は伸長するものの国内がやや持ち直すことから横ばいの65%と予測している。

 佐々木氏は「国内の空洞化による産業の衰退を指摘する声もあるが、国内市場が少子高齢化で縮小する一方、新興国を含めた海外が成長する中で、“地産地消”を進めていけば必然的に海外比率が上がり、国内比率が下がる。海外企業と戦う競争の中で、国内で生産する特別な付加価値が生み出せない限りは、国内生産を増やす流れにはならないだろう」と話す。

 また「円高の是正やさまざまな経済政策による好影響はあるが、それがあったとしても、高い法人税率やエネルギーコストなどから、コモディティ製品のアセンブリを国内で行うことは難しい。国内拠点は、半導体やIT関連、各種パッケージソリューションの提供など、付加価値を生み出すオリジンを育てる役割になるだろう」と佐々木氏は国内拠点の役割について語っている。

国内生産額国内・海外比率推移 電子工業の国内生産額見通し(左)と日系企業の国内・海外比率推移(右)(クリックで拡大)

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