JEITAは2014年の電子情報技術産業の世界生産見通しを発表。電子情報産業の日系企業の世界生産見込みは2013年比3%増の38.8兆円の見通しとなり、国内生産額の見通しも3年連続のマイナスから2014年は回復する見通しを示した。
電子情報技術産業協会(以下、JEITA)は2013年12月24日、電子産業の2013年世界生産見込みと、2014年世界生産予測を発表した。電子機器や部品とITソリューション産業全体を併せた電子情報産業の、2013年の生産額は前年比20%増となる248兆4223億円となる見込みで、2014年も同5%増と堅調に推移する予測を示している。
同協会では会員企業へのアンケートなどから、毎年世界および国内の生産額の調査を実施。各商品分野についてのレポートを会員企業などにフィードバックしている。
同協会の調査によると、電子情報産業(電子機器+電子部品+ITソリューション)の2013年の世界生産額は、対前年比20%増の248兆4223億円と大きく成長する見込み。スマートフォンやタブレットなどの個人モバイル端末市場が急速に拡大している他、自動車のエレクトロニクス化により自動車関連部品の成長があることなどが要因だ。またそのうちITソリューション関連の額を抜いた電子工業(電子機器+電子部品)の生産額は181兆3850億円で、こちらも前年比20%増となる見込みを示した。
2014年についても、新興国経済の不透明感があるものの、欧米経済の回復や、個人モバイル市場と自動車市場の拡大などにより、同5%増の261兆2323億円を予測する。
JEITA 代表理事会長 佐々木則夫氏(東芝 取締役副会長)は「2013年はリーマンショック以前の2008年の水準を上回る結果となった。2014年も個人モバイル端末や医用電子機器の伸長により継続的に成長する見通しだ」と話している。
しかし、これらのうち日系企業の世界生産額を見ると厳しい現状が見えてくる。日系企業の世界生産額は2013年は同5%増の37兆7059億円で、3年振りのプラス成長となった。そのような回復は見せたものの、20%という全体の成長率には大きく及ばない状況で、電子工業における日系企業のシェアが低下した現実が浮かび上がる。世界における日系企業のシェアは2011年が18.9%、2012年が17.3%と漸減しているが、2013年は15.1%と2%以上のシェア低下につながった。
2014年については、日系企業の生産額は3%増となる38兆7864億円と予測するが、シェアはさらに低下し14.8%となる見込みだ。佐々木氏は「2010年以降の超円高、2011年の東日本大震災とタイの大洪水、2012年の尖閣問題など、日本企業がグローバルで戦う中で、厳しい環境がありその影響を受けた」と語る。
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