ファミコンを改造してラジコンに仕立て上げたのは、「動いた。」さん(土日に電気工作するサラリーマン)。
筐体を改造してATMEGAマイコンを仕込み、ファミコンのコントローラーで動くリモコンカーを展示。他にもファミコンのカセットの端子側をマウスピースにしてハーモニカに改造するなど、変わったファミコンハックを展示していた。
ゲーム機を楽器に改造していたのは、「へけけくん&nicobow」のブースだ。ファミコンのFM音源(シンセサイザーの音源の一種)を、MIDIコントローラーから鳴らす、あるいは「PS3」のコントローラーから鳴らすなど、数々の作品を披露していた。
技術少年出版が展示していたのは、1975年に開発されたコンピュータ「Alteir8800」と互換性があるという新型コンピュータ。その名も「Legacy8080」。ビル・ゲイツ氏やポール・アレン氏がマイクロソフトを作るきっかけになったマシンが、現代によみがえった。単なる懐古主義ではなく、小中学生がコンピュータアーキテクチャやアセンブラを原理レベルから体験するために新規開発しているとのこと。
最新技術で設計され、高い耐久性を誇るという。当時メジャーだった「CP/M-80」互換のOSを搭載し、当時の「BASIC-80」やC、FORTRANなどが動作する。プログラミングは本体のスイッチを操作して行われる。2014年の市販を目指して開発が続けられているとのことだ。
ニコ生企画放送局が出展していたのは「ケミカルカレー」だ。
お湯に甘味、うま味、酸味、コクなどを再現する化学調味料を溶け込ませ、香りは本物のスパイスを用いて再現する。
カレーの材料であるタマネギの味を甘味調味料、とろみ剤などで再現し、トマトジュースの味をうま味調味料と食紅などで再現し……、だんだんと材料を加えていって、最後にスパイス類を投入すれば、立派なカレー味が再現される。
さらに究極のDIYとして、Maker Faireの常連、「尻P」ことSF作家の野尻抱介さんは「狩猟」をテーマにスリングショットや狩猟具を出展した。
尻Pは実際に狩猟免許を取得し、このスリングショットで鴨やカラスなどの鳥を撃ち、調理して食べる試みを行っている。まさに「Do It Yourself」の精神を体現した展示となっていた。
今回、会場が広くなったことで、より出展物の多様さが目立ってきたように思った。他にもロボット、アート、手芸、パフォーマンスなど、「つくる」という点で共通したさまざまな出展物で展示会場が満たされていた。
自分は参加できなかったが、多数のワークショップも盛況だったようだ。子連れでの出展者、参加者も目立ったが、ひょっとして来年以降は彼らが出展する側に回るかもしれない。Maker Faireは、ますます多様化しそうだ
高須正和(たかす まさかず):@tks
ウルトラテクノロジスト集団チームラボ/ニコニコ学会β実行委員。趣味モノづくりサークル「チームラボMAKE部」の発起人。未来を感じるものが好きで、さまざまなテクノロジー/サイエンス系イベントに出没。無駄に元気です。
2013年12月21日、六本木ニコファーレで「第5回 ニコニコ学会βシンポジウム」を開催します。ご期待ください!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.