メンター・グラフィックス・ジャパンは、「ET2013」において、車載情報機器やディスプレイメーター、運転支援システムなど複数の車載システムを1つのハードウェア上で運用する仮想化技術の導入に最適なハイパーバイザ「Mentor Embedded Hypervisor」を紹介した。
メンター・グラフィックス・ジャパンは、「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展(ET2013)」(2013年11月20〜22日、パシフィコ横浜)において、車載情報機器やディスプレイメーター、運転支援システムなど複数の車載システムを1つのハードウェア上で運用する仮想化技術の導入に最適なハイパーバイザ「Mentor Embedded Hypervisor」を紹介した。
Mentor Embedded Hypervisorは、セキュリティ技術「TrustZone」を搭載するARMのアプリケーションプロセッサコア「Cortex-Aシリーズ」向けのタイプ1(ベアメタル)ハイパーバイザだ。Cortex-Aシリーズを複数コア搭載するプロセッサ上で、複数の車載システムを独立に動作させるような場合に用いる。
例えば、高性能の車載SoC(System on Chip)上で、カーナビゲーションシステムやマルチメディアシステムはLinuxで、運転支援システムは制御系システム向けのリアルタイムOSであるAUTOSAR OSで動作させたい場合には、Mentor Embedded Hypervisorを適用すれば、各車載システムの動作に必要なメモリなどのリソースを割り当てながら、一方の車載システムの不具合があってももう一方の車載システムの動作に影響を与えないようにすることができる。
各ゲストOSに対するプロセッサコアの割り当てを柔軟に行えることも特徴の1つだ。ゲストOSがそれぞれ特定のコアを占有させられるだけでなく、コア数が少ない場合にはあるゲストOSはコアを占有、他のゲストOSは残りのコアをタイムスライスで使用するといった設定も行える。
Mentor Embedded Hypervisorの対応OSは、メンターの組み込み機器向けOS「Mentor Embedded Linux」や「Nucleus」の他、AUTOSAR OSの「Volcano AUTOSAR」やAndroidなどがある。
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