ホンダは、近距離移動に用いる超小型電気自動車(EV)「MC-β」を発表した。2012年11月に発表した大人1人+子ども2人乗りの「マイクロコミュータープロトタイプ」と比べて、大人2人乗りになり、満充電からの走行距離は60km程度から80km以上に向上した。
ホンダは2013年11月19日、近距離移動に用いる超小型電気自動車(EV)「MC-β」を発表した。2012年11月に発表した実証実験向けの超小型EV「マイクロコミュータープロトタイプ」(関連記事:太陽電池の電力で走る!? ホンダが超小型EVを公開)について、さらに開発を進めたもので、熊本県や埼玉県さいたま市、沖縄県宮古島市などの各自治体と共同で始めた社会実験に順次導入する計画だ(関連記事:ホンダが熊本県と宮古島で超小型EVの社会実験、大人2人乗車の「βモデル」を使用)。また、「第43回東京モーターショー2013」(2013年11月20日〜12月1日、東京ビッグサイト)の併催イベントである「SMART MOBILITY CITY 2013」に出展する予定である。
MC-βは、国土交通省などが新たな車両区分として導入を検討している超小型モビリティ(関連記事:超小型車の認定は軽自動車をベースに保安基準を緩和、地方公共団体が窓口に)や、欧州市場のL7カテゴリー(バッテリーを除いた重量が400kg以下で、最高出力が15kW以下の四輪車)を視野に入れたEVである。
外形寸法は全長2495×全幅1280×全高1545mm、車両重量は570kgである。マイクロコミュータープロトタイプと比べて、全長が5mm短くなったものの、全幅が30mm、全高が100mm大きくなっている。軽自動車と比べて900mm短いため、最小回転半径は3.3mと取り回しが極めてよい。市販車の最小回転半径は、ホンダの軽自動車「N-ONE」で4.5m、トヨタの小型車「iQ」で3.9mとなっている。
運転席に対して、もう1つの座席を斜め後ろに配置するオフセットシートレイアウトを採用し、大人2人が快適に座れる空間とユーティリティースペースを確保した。マイクロコミュータープロトタイプでは、大人のドライバー1人と子ども2人の乗車が可能としていた。
また、ホンダが得意とする二輪車技術を応用したパイプフレームボディにより、軽量で高剛性のボディを実現。外板に樹脂を採用することで大胆な造形が可能になり、「フレンドリーで人々に愛されるデザインを具現化できた」(同社)という。
モーターの出力は定格で6kW、最大で11kW。最高速度は時速70km以上となっている。満充電からの走行距離は80km以上で、充電時間は200V電源で2時間以下、100V電源で7時間以下。マイクロコミュータープロトタイプは、モーターの最高出力が15kW、最高時速が80kmでMC-βを上回っているものの、走行距離は60km程度となっていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.