環境対応の研究開発が盛んだった自動車業界で、突如「自動運転システム」が注目されるようになりました。携帯電話向けのデバイス開発をされていた方や、デジタル家電、特にコンパクトデジカメなどの開発経験者は今が転職のチャンスです。
本記事は人材紹介会社「メイテックネクスト」河辺真典氏からの寄稿です。
自動車業界が力を入れている主要な研究開発テーマを挙げてみると、「既存エンジンの燃費向上による新型車両開発」「電気自動車・ハイブリッド自動車の車種追加」「燃料電池自動車の量産化」といったところになります。
こうした環境対応への研究開発が待ったなしで進行する中、新たなテーマが浮上してきました。「自動運転システム開発」です。このテーマが大きく動き出したように感じています。
2013年10月14日から開かれた「第20回 ITS世界会議 東京2013」では、自動車の自動運転技術に注目が集まりました(参考記事)。また政府も、成長戦略の柱として戦略的に研究する10テーマの1つに自動運転システムを取り上げ、研究開発をバックアップしていく考えのようです。
このような動きが表面化した要因としては、大きく2つあると思います。「EyeSight(アイサイト)」の発表によって一般市場にも自動ブレーキ機能が認知され、搭載車両が増加する傾向にあることがまず1つ。そしてGoogleによる自動走行車両の実験が、本格化してきたことがもう1つの要因と思われます。IT業界からの新たなプレイヤー参入はメディアでも大きく取り上げられました。自動車業界も開発インフラの整備や業界標準化に向けての取り組みなど、急ピッチで開発を加速させているようで、そうした報道が増えてきました。
求人マーケットにおいて、自動車業界の求人はここしばらく非常に活況です。最近さらに自動車業界の求人マーケットが底堅いと感じるのは、これまでの環境対策に加え、自動運転システム関連の求人が増えてきているからでしょう。自動車部品メーカーや家電メーカー、電子部品メーカーも、自動運転システム関連の車載向けデバイスを開発するため、人材を積極的に採用するようになっています。
自動運転システム関連の求人においては、「カメラ」「アンテナ」「レーダー」「高周波」「通信」「データ解析」「ネットワーク」がキーワード。携帯電話向けのデバイス開発をされていた方や、デジタル家電、特にコンパクトデジカメなどの開発経験者は今が転職のチャンス。自動車業界へ転身するチャンスが到来しているのです。
河辺 真典(かわべ まさのり)
株式会社メイテックネクスト コンサルタント 統括マネージャー。
元生産技術のエンジニアとして5年勤務し、前職リクルートエージェントでエンジニアの転職紹介を8年経験した後、メイテックネクストでエンジニアの皆さまのさらなる転身のためにサポートしております。
エンジニアの皆さまの今までのご経験とご希望、それに時間軸を加えた3軸で、皆さまの転職を分析し解きほどいていきますと、今まで混沌としていた転職も、おのずと方向が見えてきます。
面談ブースで皆さまとお話しさせていただくことによって、そういったお話しを見い出せたらなと思い、日々仕事をしています。
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