キヤノンは、製品開発プロセスの解析シミュレーション用途で、新たに富士通のスーパーコンピュータシステムを導入することを決めた。
キヤノンは、製品開発プロセスの解析シミュレーションの高度化に向け、富士通のスーパーコンピュータシステムを新たに導入することを決めた。新システムは「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」(以下、PRIMEHPC FX10)96ノードで構成され、理論演算性能は、20.2テラフロップス(TFLOPS)を実現する。
キヤノンでは以前から、製品開発における仮想試作・各種解析シミュレーション用に、HPC(ハイパフォーマンスコンピュータ)を活用。しかし、製品の高性能化や小型化などに伴い、より大規模かつ複雑な解析計算を実用化する手段として、さらに高性能なスーパーコンピュータシステムの導入を検討していた。
その中で、富士通のPRIMEHPC FX10が、性能と省電力を両立させていることを評価し、採用を決定したという。PRIMEHPC FX10は、性能で世界1位になったこともあるスーパーコンピュータ「京」(関連記事:なぜ「京」がスパコン1位を獲得できたのか)に適用した技術を活用したスーパーコンピュータ。今回導入した新システムの計算ノード数は、「PRIMEHPC FX10」96ノードで構成され、理論演算性能は、20.2テラフロップスを実現するとしている。
キヤノンは製品開発において、シミュレーションの活用などにより試作を最小限にする「試作レス」(関連記事:見える、見えるぞ! 私にも――キヤノンのMRシステムがさらに進化、モノづくりでの導入事例も)化を推進している。今回の新システムにより、従来では処理性能的に困難だった大規模かつ複雑な解析やシミュレーションを可能とし、さらにこの方針を押し進めていく方針だ。
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