自動車や建設機械、風力発電システムの駆動伝達装置(ドライブライン)の設計/解析に特化したツール「RomaxDESIGNER」を展開するRomax Technologyが、製品ラインアップを拡大している。
自動車や建設機械、風力発電システムの駆動伝達装置(ドライブライン)の設計/解析に特化したツール「RomaxDESIGNER」を展開するRomax Technologyが、製品ラインアップを拡大している。
2012年秋にドライブラインの構想設計の段階で利用できる設計/解析ツール「CONCEPT」を投入しており、2013年9月にはCONCEPTの機能拡張に加えて、車両レベルのマルチボディダイナミクス(MBD)解析に必要なデータをRomaxDESIGNERから自動的にエクスポートする「Dynamic FUSION」、RomaxDESIGNER/CONCEPTと大手ベンダーの3D CADツールの相互運用性を高める「CAD FUSION」を発売する予定だ。
Romax TechnologyのRomaxは、ROtating Machinery eXpertsの略である。1995年に発売したRomaxDESIGNERは、自動車や建設機械、船舶、軍事、航空宇宙分野のドライブラインを用いる製品の開発に広く利用されており、ユーザー企業数は17カ国/175社に上る。このうち自動車関連では、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、General Motors、Ford Motor、Volkswagen、BMW、Hyundai Motorなどほぼ全ての自動車メーカーに採用されている。二輪車メーカーやサプライヤを含めればユーザー企業数は65社に達する。
RomaxDESIGNERは、これらの自動車メーカーや二輪車メーカー、サプライヤなどがトランスミッションやギヤボックスの詳細設計と、そのNVH(Noise、Vibration、Harshness:騒音/振動/ハーシュネス)に関する解析を行う際に利用されている。特に、1つのモデルからノイズ源となる振動、強度、効率について解析できる機能への評価が高い。
このRomaxDESIGNERと連携する3つの新ツールは、顧客の要望に基づいて開発された。CONCEPTは、自動車メーカーの先行開発部門で、トランスミッションを構成する1個のギヤからスケッチレベルの設計を具体化する機能を持つ。CONCEPTの設計データは、RomaxDESIGNERによる詳細設計にそのまま利用することができる。
Dynamic FUSIONを使えば、RomaxDESIGNERのモデルデータを、MSC SoftwareのMBD解析ツール「ADAMS」にエクスポートできる。これは、車両レベル解析ではADAMSが広く利用されているためだ。また、モデル化インタフェースを持つCAEツールへのエクスポートも可能である。なお、Romax Technologyによれば、「CONCEPTとDynamic FUSIONは、トヨタ自動車とBMWからの要求をベースに開発した」という。
CAD FUSIONは、RomaxDESIGNERと大手ベンダーの3D CADツールの間で3Dデータのインポートやエクスポートを自由に行えるようにするプラグインである。2D CADの図面データをインポートして、シャフトのレイアウト情報やギヤの数値データを入力すれば、RomaxDESIGNERで利用できる3Dデータに変換できる機能も備える。
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