ジヤトコ、グローバルのソフトウェア開発基盤としてPTCのALMツール「Integrity」を採用製造ITニュース

日産自動車の子会社でトランスミッション大手のジヤトコは、ソフトウェア開発の全社プラットフォームとして、PTCのALMツールである「PTC Integrity」を採用した。

» 2013年05月14日 11時30分 公開
[三島一孝,MONOist]

 PTCジャパンは2013年5月14日、日産自動車の子会社で、オートマチックトランスミッションをグローバルで展開するジヤトコが、PTCのグローバルソフトウェア開発ソリューションを採用したことを発表した。トランスミッション制御システムにおけるソフトウェア開発の全社プラットフォームとして活用する。

 製品開発におけるソフトウェアの比重は増すばかりだが、ジヤトコではグローバルでの制御ソフト開発の連携においてデータ管理、情報共有の仕組みが確立できていなかったことが課題となっていた。それにより要件、モデル、テストデータなど、必要な開発データの入手に時間がかかることに加え、バリエーションや変更履歴が一元管理されていないことで製品ライン全体での非効率さが発生していたという。

 これらの問題の解決に向けジヤトコでは、開発部門や拠点全体で全ての業務と資産を管理する単一ソリューションを導入し、データ間の連携維持、成果物管理の標準化、および変更管理プロセスの強化を実現することを決定。そのプラットフォームとして「PTC Integrity」に基づくPTCグローバルソフトウェア開発ソリューションを選定した。

 PTCグローバルソフトウェア開発ソリューションは、主要な業務プロセスを最適化し、要件、モデル、コード、テスト情報などのソフトウェア開発におけるデータをお互いに関連付けることで、ライフサイクル全体のトレーサビリティを確保するとしている。製品開発の可視化により、チームの生産性の向上とリアルタイムの部門間連携、重複作業や手戻りの削減が可能になるという(関連記事:ソフトウェア領域を手に入れたPTC、Integrityで車載ソフトウェア開発プロセスをカバー)。

 ジヤトコ 情報システム部 部長の神戸政一郎氏は「開発の協調業務を推進するというビジョンを実現するためには、開発データと業務プロセスの全てを一元管理するシステムが必要だった。新たなソリューションを導入することで開発ライフサイクル全体の可視化が可能となり、制御システム開発データ管理の向上、データセキュリティリスクの極小化、業務プロセスの効率化、および分散するチームの生産性向上を実現できると考えている」と述べている。

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