Volkswagen(フォルクスワーゲン)は、排気量1l(リットル)当たりの最高出力が100kWに達するディーゼルエンジンと、10段変速のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を開発中である。
Volkswagen(フォルクスワーゲン)CEOのMartin Winterkorn氏は、排気量1l(リットル)当たりの最高出力が100kWに達するディーゼルエンジンと、10段変速のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を開発中であることを明らかにした。
これは、2013年4月26日(欧州時間)に開催された、「ウィーン国際自動車シンポジウム」の講演で、Winterkorn氏が示唆したもの。同氏は、「ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関にはまだ改善の余地がある。当社は、2000年から現在までかけて、内燃機関搭載車の燃料消費量を30%以上削減してきた。2020年には、現在と比べて約15%削減できるだろう。これは内燃機関の燃焼プロセスだけでなく、車両の軽量化をはじめとするさまざまな技術の開発によって達成される」と述べた。
内燃機関搭載車の燃料消費量削減に向けて、重要な役割を果たしそうなのが、新開発のディーゼルエンジンと10段変速のDCTだ。このディーゼルエンジンは、可変バルブ機構、燃料噴射圧力が3000bar(300MPa)のコモンレールシステムなどを採用する予定で、排気量1l当たりの最高出力で100kWを目標としている。2012年9月に発表した7代目「ゴルフ」(関連記事:フォルクスワーゲンの7代目「ゴルフ」、ディーゼルモデルの燃費は31.25km/l)の排気量2.0lディーゼルエンジンは、最高出力が110kW。これと比べて2倍近い出力効率が得られていることになる。
また、これまで最大で7段変速だったDCTを10段変速に増やす。変速段数を増やすことによって、さらに燃料消費量を削減できる見込みだ(関連記事:GMとフォードが9段/10段変速のATを共同開発へ、制御ソフトはそれぞれ独自で)。
これらの他、Winterkorn氏は、フォルクスワーゲンが天然ガスエンジン車に大きな期待を抱いていること、中期的な観点で内燃機関を代替する最有力な走行システムがプラグインハイブリッドだと考えていることなども語った。
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