General Motors(GM)とFord Motor(フォード)は、9段変速/10段変速の自動変速機(AT)を共同開発することで合意したと発表した。両社が今後開発する前輪駆動もしくは後輪駆動の車両に搭載し、燃費を向上させたい考えだ。
General Motors(GM)とFord Motor(フォード)は2013年4月15日(米国時間)、9段変速/10段変速の自動変速機(AT)を共同開発することで合意したと発表した。両社が今後開発する前輪駆動もしくは後輪駆動の車両に搭載し、燃費を向上させたい考えだ。
今回の共同開発によって、両社が独自に開発する場合よりも、開発にかかる時間やコストを抑えられるという。ただし、共同開発するのは9段変速/10段変速ATのハードウェアだけで、制御ソフトウェアについては両社がそれぞれの車両に合わせて開発するとしている。
GMとフォードが変速機の共同開発を行うのは3度目となる。直近では、6段変速のATを共同開発しており、GMの「シボレー」ブランドの「マリブ」や「トラバース」、フォードの「フュージョン」や「エクスプローラー」などに搭載されている。これまでに両社合計で800万個以上を生産しているという。
9段変速/10段変速ATの共同開発は、この6段変速ATの開発プロジェクトを基にして進める。既に両社の開発人員は設計を始めている。
現在、欧米の自動車メーカーを中心に、ATの変速段数を従来の6段前後から、8段以上に増やすことで燃費を向上しようという取り組みが進んでいる。トラスミッションサプライヤのZFが2011年6月に発表した9段変速のATは、従来の6段変速ATと比べて最大16%の燃費向上効果が得られるとしていた。
一方、国内自動車メーカーのほとんどが、燃費向上のために採用している変速機は、無段変速機(CVT)である。最近の国内の新車発表では、4〜6段変速のATからCVTに置き換えることで燃費が向上できたとしていることが多い。
もう1つ、燃費向上が可能な変速機として知られているのが、Volkswagenグループが積極的に採用しているデュアルクラッチトランスミッション(DCT)である。「ゴルフ」をはじめ、同社主力車種の燃費を大幅に向上したことで知られている。ホンダも、2013年秋ごろに発売を予定している新型「フィット」のハイブリッドシステムにDCTを採用する方針を明らかにしている(関連記事:ホンダの新型ハイブリッドシステムはDCTが肝? 「IMA」より燃費を30%向上)。
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