2013年4月21日に防災科学技術研究所の主催イベント「自然災害を正しく学び備えよう」が開催される。無料体験コーナーでは、阪神・淡路大震災や東日本大震災の揺れを再現できる可搬型地震動シミュレータ「地震ザブトン」に乗ることができる。
備えあれば憂いなし――。東日本大震災の発生で、自然災害の恐ろしさをあらためて痛感した人も多いのではないだろうか。社会全体を見ても、ここ数年で防災に対する意識は間違いなく高まったといえる。一般家庭では、家庭用の保存食や避難グッズ、家具や電化製品を固定するための器具などが飛ぶように売れたと聞く。いざというときの備えは重要だ。
しかし、“地震の揺れ”に対する心構えはどうだろうか。
過去、大地震を何度も体験したことのある人であれば「ある!」と言い切れるかもしれない。しかし、実際のところ、地震には幾つかのタイプがあり、揺れ方も異なる。ぐらっときたその瞬間、恐怖心を抑え、冷静に判断し、避難行動をとれるだろうか……。
そんな地震の揺れを気軽に体験できる機会がある。2013年4月21日に開催される「自然災害を正しく学び備えよう」(主催:防災科学技術研究所)というイベントだ。その中で、実際に発生した地震の“模擬体験”ができるコーナーが設けられている。
自治体が実施する防災イベントなどでよく見掛ける「起震車(振動装置を搭載し、地震の揺れを再現できる専用車)」も模擬体験ができる装置の1つとして知られる。しかし、一般的な起震車は、トラックを改造したものであるため、荷台部に設置された模擬的な部屋の揺れ幅が狭かったり、体験できる揺れの種類が限られたりなど、その再現性は実際の地震と“同じ揺れ”とまではいかない。
同イベントでは、こうした起震車では再現し切れないリアルな揺れを体験できるシミュレータが登場する。白山工業の可搬型地震動シミュレータ「地震ザブトン(VS-3201)」だ。
見た目はジェットコースターの座席のようであり、サイズ感はマッサージチェアを一回り大きくした程度といったところだろうか。1人乗りで、据え付け型ではなく、可搬型なので本体を台車などに載せて移動することもできる。“ザブトン”とあるように、イスの下に位置する台座部分が本体である。
台座(本体)部分に、東京工業大学が開発・特許を所有する「Vutonクローラー」と呼ばれる全方向移動機構を4基採用し、激震動だけでなく、従来大型の設備でのみ可能であった数mの振幅を持つような長周期地震動も屋内で手軽に体験できる。地震動は、実際に観測された数値データからも再現できるため、阪神・淡路大震災や東日本大震災の揺れも体験可能。さらに、予測値を用いて、これから発生が想定される地震(東海地震など)もシミュレーションできる。
また、オプションのスクリーンやプロジェクタなどと組み合わせることで、同期映像(揺れと同期する室内被害映像)とあわせたよりリアルな体験も得られるという。興味のある方は、同イベントに足を運んでみてはいかがだろうか(無料体験の実施場所は、研究交流棟アトリウム)。
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