マツダは、マイナーチェンジしたミニバン「プレマシー」の3列目座席下部のクロスメンバーフレームに、「3次元熱間曲げ焼入れ技術(3DQ:3 Dimensional Hot Bending and Quench)」を用いて加工した1500MPa級の超高張力角形鋼管を採用。従来部材と同等の剛性と強度を確保しながら、重量を約50%低減している。
マツダは2012年1月24日、マイナーチェンジしたミニバン「プレマシー」の3列目座席下部のクロスメンバーフレームに、「3次元熱間曲げ焼入れ技術(3DQ:3 Dimensional Hot Bending and Quench)」を用いて加工した1500MPa級の超高張力角形鋼管を採用したと発表した。従来部材と同等の剛性と強度を確保しながら、重量を約50%低減した。3DQを適用した部品を量産車に搭載するのは初の事例となる。
3DQは、住友金属工業(現在は新日鐵住金)と住友鋼管、住友金属プラント(現在は日鉄住金プラント)が2012年4月に発表した技術(関連記事)。さまざまな形状の鋼管(丸管、角管、各種異形鋼管など)を、局部的に加熱して曲げ加工し、直後に水で急冷して焼き入れを行う連続プロセスから構成されている。曲げ加工のプロセスにロボットを用いることで、設備のコンパクト化と低コスト化を図った。ロボット技術は安川電機と共同開発した。
3DQによって、金型を用いずに、超高張力鋼を使った鋼管製の部材を複雑な形状に製造できるようになる。従来の冷間曲げやハイドロフォームといった加工法では、1470MPa以上の強度を持った鋼管製の部材は製造できなかった。
マツダは、3DQを適用したクロスメンバーフレームを開発する上で、最適な断面形状・板厚・形状などの検証を重ねた。安定して製造するための手法も開発したという。
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