パナソニックのブースでは、高感度MOSイメージセンサー「SmartFSI」をデモしていた。
従来のCMOSセンサーは、トランジスタや配線層の上から光を照射する「表面照射型」が中心だったが、最近はシリコン基板の裏側から照射することで感度を大幅に向上した「裏面照射型」が多く用いられている。コンパクトデジタルカメラやスマートフォンなどの内蔵カメラには、ソニーがいち早く開発に成功した「裏面照射型CMOSセンサー」が用いられることが多い。
パナソニックが開発したSmartFSIは、入射光を反射して画素の中に閉じ込める「光隔壁形成技術」と、閉じ込めた光をフォトダイオードに導く「光導波路最適設計技術」を採用している。これらの技術によって、従来のセンサーに比べて大幅に感度がアップしただけでなく、混色を防ぐことで色再現性も向上したという。さらに、斜めからの光も導入する集光構造によってレンズとイメージセンサーの距離を小さくできるので、カメラモジュールの薄型化にも貢献するとのことだ。
当初は、スマートフォンやコンパクトデジタルカメラの分野での導入を目指していくが、「デジタル一眼などの大型センサーも検討している」と説明員は語っていた。
富士通のブースでは、富士通ソフトウェアテクノロジーズが、Linuxカーネルを用いたWebベースのOS「Firefox OS」を展示していた。Firefox OSは、PC向けWebブラウザ「Firefox」で知られるMozillaが開発したモバイル機器向けOSで、HTML5を利用してアプリケーションを実装できるのが魅力だ。
Web APIを利用することで、NFC(近距離無線通信)などのセンサーを活用することもできる。Linuxカーネルをベースにしたシンプルな構成になっているため、動作周波数が400MHz程度のローエンドデバイスでも、快適に表示やタッチパネル操作などができるという。
Androidに比べてかなり軽快に動作するため、「従来のOSでは重た過ぎる!」という場合の選択肢として、今後の発展が期待できるプラットフォームだ。
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