2012年11月14〜16日の3日間、下半期最大規模の組み込み関連技術イベント「Embedded Technology 2012/組込み総合技術展(ET2012)」がパシフィコ横浜で開催された。本稿では、「インテリジェントシステム」をブーステーマに掲げるインテルと日本マイクロソフトの出展内容を中心に、ET2012の展示会場の様子をリポートする。
2012年11月14〜16日の3日間、パシフィコ横浜で、組込みシステム技術協会(JASA)主催の「Embedded Technology 2012/組込み総合技術展(以下、ET2012)」が開催された(設計ソリューションの必須技術を網羅する展示会「EDS Fair 2012」も併催)。
ET展は、春に開催される「組込みシステム開発技術展(ESEC)」と並び、国内最大規模の組み込み関連技術イベントとして毎年注目されており、今回も、例年同様の盛り上がりをみせていた。ちなみに、主催者の発表によると、出展社数は407社と昨年の386社から21社増え、来場者数も2万2813人とこちらも昨年(2万2349人)から若干の増加となった。
近い将来、注目されるであろう技術トレンドは何か――。ET展を通じ、そのヒントを感じ取ることができる。今回、筆者はインテルと日本マイクロソフトのブースを中心に取材することにした。なお、両社は共通して、「インテリジェントシステム」をブースのテーマに掲げている。
インテルは今回、「Intelligence in. Amazing out.」をブースのテーマに掲げ、インテリジェントシステムの活用例を「Personal」「Automotive」「Industrial」の3つのゾーンで示した。
最も来場者の関心を集めていたのが、Automotiveゾーンだ。特に、「Atom E600シリーズ」を搭載した評価ボードに、Linuxベースの車載情報機器向けプラットフォーム「Tizen IVI」を組み込んだデモシステムは注目の的だった(関連記事1、関連記事2)。
展示会場では、カーナビゲーションシステム(カーナビ)とスマートフォンの連携デモを実演。具体的には、スマートフォンで設定した目的地をカーナビに送信したり、スマートフォンに保存されているビデオコンテンツをカーナビのディスプレイでストリーミング再生したり、といったものだ。カーナビとスマートフォンのアプリケーションはHTML5ベースで開発されており、カーナビやオーディオ/ビデオシステムなど、さまざまなデモを通じて、HTML5を利用した表現力の高さや連携のしやすさなどをアピールしていた。カーナビのデモでは、ゼンリンのHTML5ベースの地図データを使用。さまざまなWebサービスが提供するAPIと組み合わせて利用することで、刻々と変化する“今まさに”な情報を地図上に表示させることができる。
また、Industrialゾーンの正面では「HEMSゲートウェイ開発キット」がデモ展示(参考出品)されていた。これは岡谷エレクトロニクスが現在開発中のキットで、HEMSインタフェース標準規格「ECHONET Lite」に準拠しており、HEMSゲートウェイに接続するセンサーや発電/蓄電など各機器の通信機能といった各種アプリケーションの開発環境を提供するもの。インテルのプロセッサを搭載するHEMSゲートウェイと富士通ビー・エス・シーの電力・温度・湿度・照度測定機能付きプラグ「F-PLUG」、クラウド連携およびタブレット端末用アプリケーションソフトウェアで構成される。
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