無限のGTレースカー、ステアリングのど真ん中にWindowsシステムを搭載ET2012

TEAM 無限のレースカー「MUGEN CR-Z GT」は、ステアリングの中央部に、「Windows Embedded CE 6.0」をベースOSとするドライビングアシストコンソール(レースカー向けのナビゲーションシステム)を搭載している。

» 2012年11月20日 17時35分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「MUGEN CR-Z GT」のステアリング

 ソフトウェアの受託開発を手掛けるサムシングプレシャスは、「Embedded Technology 2012/組込み総合技術展(ET2012)」(2012年11月14〜16日、パシフィコ横浜)において、TEAM 無限のレースカー「MUGEN CR-Z GT」に搭載されているドライビングアシストコンソール(レースカー向けのナビゲーションシステム)を展示した。

 MUGEN CR-Z GTは、カーレース「SUPER GTシリーズ」の「GT300クラス」に参戦しているTEAM 無限のレースカーである。ホンダのハイブリッド車「CR-Z」をベースに、「無限」ブランドで製品開発やカーレース参戦を行っているM-TECが開発した。2012年7月の第4戦から参戦しており、同年9月の第6戦では3位に入るなど活躍している。

左の写真は、TEAM 無限のレースカー「MUGEN CR-Z GT」である。右の写真は、MUGEN CR-Z GTの運転席。ステアリングの中央に組み込まれているのが、「Windows Embedded CE 6.0」ベースのドライビングアシストコンソールである。(クリックで拡大) 出典:M-TEC

 ドライビングアシストコンソールは、車載ネットワークからの制御データや内蔵したセンサーからのデータを基に、ドライバーがレースを行う上で必要な情報をリアルタイムで表示するシステムである。ステアリングの中央に、ディスプレイを縦にして組み込んでいるので、ドライバーは情報確認を行いやすい。

 ドライビングアシストコンソールのベースOSには、Microsoftの「Windows Embedded CE 6.0」を採用した。これにより、従来と比べて表現力のあるユーザーインタフェースを容易に開発できたという。サムシングプレシャスは、Windows Embedded CE 6.0の移植やデバイスドライバの実装など、下層のソフトウェア開発を担当した。

サムシングプレシャスが展示したドライビングアシストコンソールのディスプレイ表示部。左の写真はサーキットコース内での位置を示すモード、右の写真は周回数、レースタイム、エンジン回転数、車両速度、ハイブリッドシステムに関する情報などを表示するモードである。(クリックで拡大)

 なお、このドライビングアシストコンソールと同じ製品は、ドライブレッスンプログラム「Honda Sports&Eco Program」向けに、M-TECがチューニングしたCR-Zにも搭載されている。ただし、ステアリングの中央部ではなく、一般的なカーナビゲーションと同様にダッシュボード中央のヘッドユニット部に組み込まれている。

 今後M-TECは、このドライビングアシストコンソールを、他の車両にも展開する計画である。

「MUGEN CR-Z GT」のシェイクダウンの様子(クリックすると再生)
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