製造工程を不良個数の割合、すなわち不良率(P)によって管理する場合に用います。ここからは、P管理図の作成方法について説明します。
工程の不良率を予測して、おおよその平均としてサンプル中に1〜5個くらいずつの不良個数が含まれるような大きさの試料を20〜25組をとり検査します。この場合に、各組の試料の大きさは、なるべく同じ大きさにします。データは、所定のP管理図用データシートに記入していきます。
「表3 P管理図データ(事例データ)」は、YF-526ユニット用ヒンジのかしめ不良率を記録したものです。このデータを予備データとしてP管理図を作成します。
【訂正】初出時は、表3の合計数値が6180となっていましたが、正しい値は6520でしたので訂正しました。これに合わせて、以降に出てくる、総平均不良率、CL、UCL、LCLの数値と5ページ目の図2も修正を行っています。
次の計算式で、各組の不良率Pを求めます。
P = m ÷ n
P1= 4 ÷ 300 = 0.0133
P2= 3 ÷ 300 = 0.0100
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次に、工程総平均不良率を計算します。計算式は次の通りです。
総平均不良率=Σm÷Σn=87÷6520=0.0133
管理図に書き入れる管理線として、中心線(CL)、上方管理限界線(UCL)および下方管理限界線(LCL)を次の計算式で求めます。
この場合、試料の大きさが組ごとに異なっていれば、それぞれの試料の大きさに対して管理限界線を別々に計算しなければなりません。ただし、試料の大きさが±10%くらいの差であれば、nの総平均値で計算した管理限界線で代表させても差し支えありません。
また、下方管理限界線(LCL)は、計算の結果として負になることがありますが、このときは、下方管理限界線(LCL)は考えません。(負数の不良率はあり得ないので、下方管理限界線は、書き入れない)
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