ウインドリバーは、組み込みソフトウェア開発向けシミュレーション環境「Wind River Simics」の最新版を発表した。新バージョンではクイックスタート機能が搭載された。
ウインドリバーは2012年6月27日(米国時間)、組み込みソフトウェア開発向けシミュレーション環境「Wind River Simics(以下、Simics)」の最新版を発表した(関連リンク)。
Simicsは、ソフトウェア開発に特化した高速シミュレータとして位置付けられている(補足)。LinuxをはじめとするさまざまなOSの高速ブートが可能で、マルチコアに対応したデバッグ機能を有し、実機と同一のバイナリを実行できる点が特長である。ハードウェア環境の動作をシミュレーションでき、システムレベルのデバッグなどが行える。
最新版では、クイックスタート機能「Quick Start Platform(以下、QSP)」が搭載された。QSPでは、総合的な仮想プラットフォームと、個別のアーキテクチャ向け命令セットシミュレータ(ISS)がセットで提供される。さらに、Wind River VxWorksおよびLinux向けBSP(最新版のWind River Linuxに対応する追加のBSPも含む)もバンドルされており、開発者、特にターゲットハードウェアの細部に縛られないユーザーレベルのアプリケーションソフトウェア開発者にとって、利便性の高い開発プラットフォームに仕上がっているという。
今回の発表を受け、同社 ツール/ライフサイクルソリューション担当 バイスプレジデントのミッシェル・ジェナード氏は、次のようにコメントを寄せる。「シミュレーションを利用すると、総所有コストと時間が大幅にカットされます。複雑なシステムを開発している場合は、特に効果的です。Wind River Simicsは、アプリケーション開発の着手を早められるだけでなく、最適なシステム設計の選定や、ハードウェアの容易な移行にも役立ちます。Wind River Simicsなら、開発者が実際に体験しながら、仮想プラットフォームやシミュレーション技法のメリットを、格段に短時間で実施できます」。
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