ジェイテクトにおける、開発プロセスのトレーサビリティ確保で役立っているのが、IBMのRTCである。開発活動の全てを、RTCの「ワークアイテム」として記録し、これら個々のワークアイテムを「ワークフロー」として管理することで、トレーサビリティを確保したのだ。現在は、IBMやツール導入を支援するディアイスクエアと共同で、情報表示や操作性を向上させるための取り組みを進めているという。
ISO 26262に対応するための開発プロセス改善で一定のめどを立てた益氏は、テスト環境の改善にも取り組みを広げている。ここで利用しているのが、dSPACEのHILS(Hardware in the Loop)システムとテスト自動化ツール「Automation Desk」、そしてIBMのテスト管理・品質管理支援ツール「Rational Quality Manager(RQM)」だ。同氏は、「テスト関連ではHILSシステムをはじめとする使用ツールや、ツールの組み合わせのバリエーションが非常に多くなる。A-SPICEとISO 26262では、要件とテストケースのトレーサビリティが必須になっているが、要件を管理するDOORSとこれらのツール群を個別に連携させるのは無理がある。RQMを使えば、各種ツールとDOORSのインタフェースを一本化できる」と説明する。
2013年度からは、ISO 26262に対応する開発体制にテスト環境も統合する方針である。益氏は、「2014年度を目標に、さらに進化させたISO 26262に対応する開発体制を、当社が米国、欧州、中国に展開しているグローバルの開発拠点にも導入したい」と述べている。
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