ルノーが2012年末の市場投入を予定している電気自動車(EV)「ZOE」が、24時間耐久走行で1618kmを走破した。「第80回ル・マン24時間耐久レース」で優勝したアウディのハイブリッドレースカー「R18 e-tron quattro」の約31%に相当する走行距離である。
Renault(ルノー)は2012年6月14日(欧州時間)、開発中の電気自動車(EV)「ZOE」による24時間耐久走行で1618kmの走行距離を達成したと発表した。量産EVの24時間耐久走行距離としては世界最長記録だという。今回の記録発表に合わせて、同社のWebサイトでZOEの予約受付も開始している。出荷時期は、2012年末の予定。販売価格は1万5700ユーロ(約158万円)からとなっている。これは、DaimlerのEV「smart fortwo electric drive」と同様に(関連記事)、電池をリース販売する場合の車両価格とみられる。
今回の24時間耐久走行は、2012年6月1日の午前4時から、ノルマンディー地方にある同社のオーブヴォワ技術センター(CTA)の走行コースで、2台のZOEを使って行われた。15人のドライバーが、ZOEの運転や急速充電などに交代で従事した。24時間後の走行距離は、1台のZOEが1618kmを、もう1台が1506kmを達成した。前回の1280kmから、約26%記録を伸ばしたことになる。
新記録を達成する上で重要な役割を果たしたのが、同社が「Caméléon Charger(カメレオンチャージャー)」と呼ぶEV用急速充電器である。出力が43kWあり、ZOEの80%の電池容量を約30分で充電できる。今回の耐久走行では、24時間で18回の急速充電を行ったという。ZOEの満充電状態からの走行距離は、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)モードで約210km、実走行環境で100〜150kmとなっている。
なお、6月17日に開催された「第80回ル・マン24時間耐久レース」で優勝したAudi(アウディ)のハイブリッドレースカー「R18 e-tron quattro」の走行距離は約5152kmだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.