ZTE、Huawei、Samsung Electronics、SK Telecom、LG ElectronicsといったMWCでおなじみの顔ぶれは今回も健在で、巨大なプライベートブースを構えていたり、展示会場の外でも大規模なアピールを行っていました(画像4)。
また、2011年、Googleによる買収が発表され、2012年2月に欧州委員会(EC:European Commission)からの承認も得られたMotorola Mobilityも同様に大きなブースを構えていました。展示内容そのものは戦略的なものというよりは、Androidデバイスの展示ばかりで、特に奇をてらう必要がないというくらいの“余裕”を感じました。
一方、その影に隠れてしまった企業もありました。例えば、LG ElectronicsやHTCは、3Dやオーディオ、ビデオといった技術ポイントをアピールしていましたが、正直言って、なかなか苦しそうに見えました。Motorola MobilityほどGoogleとの強固な関係があるわけでもなく、ZTEやHuaweiが行っている低価格Androidデバイスを展開するような類のブランドでもなく、ユーザーから見ても明快でない位置に立っているからだと思います。
では、Motorola Mobilityの買収が発表されるまでAndroidデバイスのトップサプライヤーであったSamsung Electronicsはどうだったのでしょうか。今回は「Galaxy Note」「Galaxy Note 10.1」のお絵かき機能を前面に押し出した内容となっていました。展示会場内・外に設置された似顔絵コーナーには常に長い行列ができていました(画像5)。
ただし、ここはよく考えなければいけませんが、どう控えめに見ても、このような機能はソフトウェア技術として目新しいものとはいえません。集客には成功しましたが、今後もAndroid搭載デバイスをリードしてしかるべき立場としての悩みは尽きません。なにせAppleの「iPad」を攻略できる見通しが全く立たないまま、Amazon.comの「Kindle Fire」にわずか1年でAndroid搭載タブレットのシェア50%を握られようとしているのですから。
さらに、“Android勢”とはもはやいえなくなってきましたが、HPやResearch In Motion(以下、RIM)のブースもかなり厳しい状況のように感じました。HPは既にタブレット事業からの撤退を表明しているため、展示の多くはPCやサーバ、それにプリンタなど、MWCにふさわしいとはいえない内容になっていました。RIMはかなり工夫してムードのあるブースを作っていましたが、Androidへの移行がうまくいかず、契約者数が見る見る減少している中で、前回まで数十社も並んでいたパートナーがすっかりいなくなり、寂しい内容となりました。Androidも上手に取り入れているAmazon.comとは対照的です。
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