HPC/PFによって、どういったことが可能となるか。小野氏は、以下のような流れで説明した。
大規模計算を実施すると、さまざまで膨大なファイルが作られ、管理が煩雑となりがちだ。このシステムではそのような管理を簡単に可能とすることで、日常業務のコストを下げることをねらう。
シミュレーションで導いた結果をデータベース化した後、次にそれをどう使うか。例えば実現象(実験知)と解析結果がどの程度一致しているか検証し、解析精度を高めていくのに利用する。また、信頼性の高い結果を導くための利用ガイドラインを作成していく。そして、技術者のナレッジが電子的にどんどん蓄積されていくことで、シミュレーションの利用促進が図れるとしている。
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同システムを実現するにあたり、格子生成やプロジェクト管理の手段、可視化、大規模データ処理、知識データベース構築手段などさまざまな技術課題がある。小野氏らは、さまざまな機関や企業と協業しながら、プロジェクトの残り1年半ほどでシステムの完成を目指していく。
「今回は、大規模の並列計算リソースを使い、企業の皆さんが設計に使うシステムを考えるという取り組みについてお話しました。繰り返し述べておきたいのが、シミュレーションだけではなくプリとポスト、データベースまで考慮したものではないと、シミュレータの設計適用が実際にはうまく進まないだろうということです。システムを開発するに当たっては、ユーザーのフィードバックが重要です。オープンソーススタイルで開かれた開発を行うことで、皆さんの協力を仰ぎたいと考えています」(小野氏)。
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