はいブーッ! そういうと思った! ホノさん、こっちのオレンジの方見てみて!
ん? オレンジの方は係数を掛けただけだ……おぉぉぉ……。そうだな、確かにそうだ。係数を掛けると部品1の公差は部品2やら部品3と同じになるのぅ……。ということはワタシのさっきの『部品4から部品1』というのはナシだな
(ステキヘアーが、ステキヘアーが……)そ、そうです! 本当の公差に気が付けば、正しく攻める順番も分かっちゃうねー!! 部品1を厳しくするなら、部品2か部品3を厳しくしても公差解析上では意図は同じになるんだね!
ふふ、オレさまが、それぞれの部品の公差の影響力をパーセンテージにまとめてやったぞ(図3)。これを見れば一目りょう然。まずは部品4を何とかせねば、だな
これぞ公差の寄与を表すパーセンテージ、『公差寄与度』って呼びましょー!
これまで何となく全体的に厳しくしていた公差も、これならピンポイントで厳しくすればいいことが一目瞭然(りょうぜん)だねぇ。数字で理由もハッキリしているから、誰もが納得できるわな
これで、感覚的に『ちょっとキビしめ』に公差を設定したり、厳しくしてもあまり意味のない公差をいじったりことは減るよね?
そうだねぇ。まずは係数を正しく理解して、線形の表現をするところからだな。あとはまとめて、測定する箇所に対する『本当の公差』を見ながら考えるようにするぞ!
では早速若手の人にも教育し直しね! ホノさん
お恥ずかしいが、そうするよ。これから正しい方法を学んでいかないと、いつまでも無駄なコストを掛けた設計をしてしまうことになるからなぁ
ちなみにホノさん、OPT星にはいつ帰還の予定ですか? オレ、ホノさんのことも星に報告しなくちゃいけないんで……
ふふ……それはOPT星に美容院ができたらだな。この髪が維持できないと困るからな
風にそよぐステキヘアーのメンテナンスは、意外と手が掛かっているようです。
私もソレは非常に大切だと思います!
あら? そういえばあの『天使』やら『子猫』とか名乗るオッサン、今日は見なかったわね。どうしたのかしら
そういえば花火大会の一件以来、見てないな
きっとアキバじゃないかな? こないだ『カンタムカフェに行かなきゃ』っていってたよー
アズーの予想通り、おじさんはそのころ、秋葉原駅前のカンタムカフェで行列に並んでいました。すっかり、“赤い流れ星 ジャア”になり切っていましたとさ。
ヘェックション!! どこかでミーのウワサを誰かしているなぁ〜。やっぱりミーって人気者ネ! でもミーはバケーション(休暇)中。計画的にバケーションすることも大事YO。『合気道戦士 カンタム』の雰囲気、満喫しちゃうもんネ!
今回は「公差寄与度」の考え方について説明しました。構造を線形表現するために得た「係数」を基に、公差が品質に与える影響を算出しました。
公差の寄与を知ることで、いまの設計で品質を改善しなければならないときにどの公差を厳しくするべきか? という課題に対して攻めるべき順番が明確になります。実際にはさまざまな理由で一番影響度が高い公差を操作することができないこともあるかと思います。その場合もやはり“次に攻めるべき”ポイントを知っているのといないとでは、改善のプロセスは大きく違います。
多くの場合、公差を厳しくすることはコスト高につながります。だからこそ公差寄与度をウマく利用して、ピンポイントの改善で「安く品質を改善する」方法を取りましょう!
また、原価低減など「品質はできるだけそのままで公差を緩めたい」というときにも公差寄与度は活用できます。公差寄与度の低い公差を緩めても、品質の変動は公差寄与度の高い公差と比べると小さいはずです。
公差解析を行う目的の1つに「正しいコスト管理」があります。公差寄与度はこのコスト管理を動かす重要な要素です! 皆さんが実際に設計する際にも、ぜひ一度、計算してみてはいかがでしょうか? (次回に続く)
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