花火になる『玉』のことよん。『割薬』と呼ばれる破裂用の粒状になってる火薬の数と、『星』と呼ばれる色が付いてる球状の火薬を玉に詰めるんだけど、多ければいいわけじゃなくて、ちゃんと計算して重さを量りながら調整されてるのYO〜ん
じゃあ『2.バラツキと分散の形が大変重要』とは何でしょう?
花火は、打ち上げられた頂点で花開くときの形が最も重要ってこと。ちなみに、ちゃんと頂点で開いた花火は『玉の座りがいい』、色火薬の『星』が360度開き切った完璧に近い花火は『盆が良い』という褒められ方をしまーす
あああ……地球の文化は、なんて奥が深いんだ……。故郷のお母さまにも見せてあげたい……
……どっちにしろ泣くわけね。ところで、アズーの姿を見掛けないけど、どこ行ったのかしら?
みんなー!! そこら中に露店がいっぱい出てて、焼き鳥とお好み焼きと焼きそばとタコ焼きと焼きとうもろこしゲットしてきたよー! ナオがこの前いってた人形焼きも見つけてきてあげたよ♪
ふ、不覚にも目から汗が……
星のお祭りを楽しんだ3人は、たっぷりのやる気を蓄えて、2010年3月に戻ってきました。そして、一行が向かったのは、つくばエクスプレスの改札。また、ホノが勤務する才羽工業へ向かいます。
ふー。この週末はとっても充実していたねー! あの花火みたいに、惑星OPTの品質も何とかしなくちゃ! ってモチベーション上がったなぁ
そうね。私たちも公差を感覚的に決める職人じゃなくて、公差解析を使いこなす理論的な職人になりたいわね
そうだな。そのためにも勉強だぞ。今日もホノさんのところへ行くぞ! まだホノさんのところには、まだまだ問題がありそうだからな
ほーい。あとはホノさんのステキヘアーについてももっと研究したいよね! OPTでもはやるんじゃない?
それはどうかしらね……
ホノさん、おはようございます
おはよう! ちょうどいま、きみたちと勉強したことをおさらいしていたよ。『分散の加法性』についても調べたし、公差は引き算してはならないことも、よーく分かったゾ! いやいや、お恥ずかしい限りだよ。後はあれだな、こないだのおじさんがいっていた『厳しくする必要がナイ公差も厳しくしてたんじゃないの?』っていうところがいまいちスッキリしないんだよなぁ……
ちょっとこれまでの問題をまとめてみましょうよ!
まず計算したのは、ホノさんの会社の教育用の例題だよね! 4種類の部品を組み立てたときのスキマのバラツキでーす
で、計算の方法はこうだったな
そうね。左右の部品1のスキマへの影響はそれぞれ独立で、効き方は半分よね
ん? んんん? ちょっと待ったぁーッ!!
アズーは、一体どうしたのでしょう?
な!? 何よ。驚かさないでよね……
ちょいと表にまとめましょう(表1)
……そうね
寸法はスキマを測る方向に合わせて符号を付けました。今回の計算は独立して影響を持つ左右の部品1はそれぞれ効き方が半分だから、公差を2分の1にしたよね? これは分散の加法性の『線形表現』をしたのデス!
それは分かってるわよ
で、その関係をまとめた表1のオレンジ線の囲いが、『本当の公差』だよ! “スキマに対する公差”とでもいうのかな?
そうだね。図面に入っている公差と実際に計算に使う公差は違うものね
ホノさん、もしも今回の構造での公差値を見て、スキマのバラツキを抑えたい場合はどうしますか?
うーん、こないだも『全体的にキビシめ』といったように、多分全部の公差を取りあえず何割かにしてみるかな。それか公差の大きい箇所から攻めるかな? その場合は部品4から部品1、という順番だな
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