ラスタ/ベクタ、2Dグラフィックスの基礎のキソ“BREW”アプリケーション開発入門(4)(3/3 ページ)

» 2009年10月28日 00時00分 公開
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2Dラスタグラフィックの描画

 基本的に、2Dラスタグラフィックスは何らかの画像フォーマットのデータをロードして、それを描画することによりグラフィックス表現を行います。

 前述したようにBREWでは2Dラスタデータとして「BMP」「PNG」「JPEG」「BCI」をサポートしており、それらのデータをロードして利用することになります。

 BREWでの画像データのロード方法には、大きく“画像ファイルから”と“リソースファイルから”の2通りあります。リソースファイルとは、画像や文字などのさまざまなリソースをアーカイブしたファイルで、「BREW SDK Tools」(注4)に含まれる「BREWリソースエディタ」で作成できます(画像3)。


※注4:「BREW SDK Tools」については、連載第1回「ケータイアプリ開発の第一歩を踏み出そう!!」をご覧ください。


BREWリソースエディタ 画像3 BREWリソースエディタ

 ここでは、単純にBMPデータをロードして描画する方法を確認します。

 以下はBMPデータをロードして描画するサンプルです(ソース3)。

BMPデータの描画 ソース3 BMPデータの描画

 画像4はBREW Simulator上での実行結果となります。

ソース3の実行結果 画像4 ソース3の実行結果

 ソース3では、単純に「maru.bmp」をロードして描画しているだけです。ここでは、BMPデータをロードする方法として「ISHELL_LoadBitmap()」を利用して「maru.bmp」をロードしています。ファイルアクセスを行う場合、基本的にアクセス可能な領域はアプリケーションの格納ディレクトリ以下になります。BREW Simulatorの環境だと、デフォルトアプレット・ディレクトリ以下のアプリケーション・ディレクトリが、カレント・ディレクトリとしてプログラムからアクセス可能です。このため、「maru.bmp」ファイルはサンプル中で、“ソースファイルと同ディレクトリに配置されている”ということになります。

 そして、「IDISPLAY_BitBlt()」で読み込んだBMPデータを描画領域に転送します。ここでは、画面の“どの場所に”“どのように”BMPデータを表示するかを指定します。最後の引数は、ラスタ操作を指定する引数で、「AEE_RO_COPY」は通常利用する“単純に転送元のBMPデータを転送先に送る(実際は上書き)”という指定です。このラスタ操作の引数を利用して、透過処理などを指定できます(詳しくは、次回以降で説明します)。そして、最終的にロードしたBMPデータを「IBITMAP_Release()」で破棄して終了となります。



 最後に、BMPデータをロードして描画してみましたが、実は2Dラスタグラフィックスの機能はまだまだあります。そこには、グラフィックスを多用するゲームなどで必要な機能が網羅されています。

 というわけで、次回は2Dラスタグラフィックスの利用法についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。お楽しみに!(次回に続く)

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