SS400(一般構造用圧延鋼)でできたブラケットが2種類あります。材料変更してみましょう。
まず、それぞれの部品に剛性や強度が要求されているか否かの見極めを行います。そのうえで、切削性や加工時間を検討します。
1.ベアリングブラケットの材料変更
これは部品に剛性や強度を要さない軽度の軸受け台として使われています。POMに変えることで、切削加工時間が大幅に短縮されます。切削性の良い材料を加工すれば、カッターの回転速度やテーブルの送りスピードを上げられ、一定時間に加工できる量を多くできます。
2.ブラケットの材料変更
こちらも上記と同様、軽度のブラケットなので、POMに変更できます。ネジ部にはヘリサートを使用します。
ここではPOMとしていますが、ほかにもアクリル、PC(ポリカーボネート)、ナイロンなどいろいろ選択肢はあります。それぞれの材料特性を考慮して使い分ければ、さらにコストダウンへの道は開けてくるでしょう。
SS400でできたベースブロックの材料を変更してみましょう。
まずこの部品は、上記のブラケットよりも剛性や強度を必要とするとします。
また、この部品は削りが多い(彫り込む場所や量が多い)形状です。これだけの彫り込みで、しかも材料がSS材となると、かなり加工時間を食います。
ベースブロックの材料変更
彫り込みが多いほど、材料変更の効果は高くなります。SS材より切削性の良い(切削抵抗の少ない)A5052S材を採用します。多少高くなる材料費を帳消しできるほどに、加工時間の大幅短縮が可能です。
最近では、材料がどうしても変更できない場合などで、切削量が少なくなるような形状に設計してしまうこともあります。
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