クラス図ってどう描くの?そもそもクラス図とは?――モデル審査員が語る“本番に強い”モデルの描き方、設計方法をお伝えする。
前回に引き続き、本稿では関東地区大会ワークショップの模様をお伝えする。まずはクラス化モデリングを行ううえで基本となるクラス図の描き方をご紹介。講師はETロボコン審査委員を務める幸加木 哲治氏(リコー)だ。
――そもそもクラス図とは、機能(ユースケースなど)を実現するために必要な要素やその要素間の関連を記述した構造図のことです。順を追って説明していきましょう。(幸加木氏、以下省略)
――まずは何を達成するのか、ユースケースを確認し、そのための戦略を決めます。ここでは例として“コースを最速走破する”というユースケースを設定します。すると、次のような戦略が考えられます。
――このような戦略を立てることで、走行方法、コース状況、変化、切り替えというような概念が出てきます。
――戦略を考えたうえで、次は方針に従って機能を実現するために必要なオブジェクトを抽出します。これは手順1で決めた戦略の部分に当たります。
――次に共通の特徴を持ったオブジェクトをグルーピングし、さらに構造化(クラス化、属性化、操作化)します。例えば走行方法ならば、直線走行、急カーブ走行、緩カーブ走行の3つでまとめることができます。
――ここで、オブジェクト間の関連を考察します。例えばコース状況を見ると、コース形状、そしてそのコース形状に応じた走行方法が分かるので、それらをリンクさせます。
――変化、切り替えが見えてきたので、これを属性化、操作化します。
――最後に多重度、ロール名(関連名)を決定します。多重度はオブジェクトからのリンクを張った数によって決まります。
――基本なことですが、以上の操作を定量的に行うだけでもモデルの評価はぐっと高くなります!
最後に、以下の4つのチェックポイントを押さえよう。
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