電子機器の“ON/OFF”を切り替える「スイッチ」について解説。幅広く使われている部品だけにその種類も実にさまざまだ
今回は「スイッチ」を紹介します。ちなみに、本連載で取り上げる電子部品はこのスイッチで最後となります。
スイッチは電子部品から大きなシステム装置に至るまで幅広く利用されています。主に、電子機器などに指令を与えるための「ON/OFF」、すなわち電気的に「つなぐ/つながない」を切り替える際に用いられます。
スイッチは、ありとあらゆる電子基板上で登場しますので、その存在を容易に確認することができると思いますが、残念ながら本連載で取り上げているマザーボード(M/B)上には、スイッチがありません。
しかし、古いM/Bなどでは「DIPスイッチ(Dual Inline Package Switch)」と呼ばれる種類のスイッチを見つけることができます。例えば、GIGABYTEのM/B(5AX)などに搭載されています(関連情報の11ページを参照)。
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⇒ | GIGABYTE 5AXのマニュアル(出典:GIGABYTE) |
このDIPスイッチですが、組み込み系の電子基板などでは基板の動作モードの切替えに使用しています。DIPスイッチの白い部分を動かして「ON」と書かれている側にスイッチを移動させると、その番号の部分が電気的につながります(画像1)。
また、コンピュータのM/B上にあるDIPスイッチの場合は、DIPスイッチの状態に応じてCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)に与えるクロックの周波数を決定する目的などに使用されます。
画像1のDIPスイッチ以外にも「スライド式」や「ピアノタイプ」などといった種類があります(関連情報参照)。
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⇒ | スイッチ(出典:SMK) |
画像2は、スイッチをスライドさせて使用する「スライドスイッチ」です。
画像2のボードでは、電源のONとOFFの切り替えのためにスライドスイッチを使用しています。この場合、左側にスライドさせると電源がONになり、右にスライドさせると電源がOFFになります。これ以外にも、スライドスイッチには片方にスライドしたときの接点が複数あるものなども存在し、実にさまざまな種類があります。
次に、画像3をご覧ください。
これは日常生活でもよくお目にかかれる「プッシュスイッチ」(注)というものです。スイッチを押すと電気的にONになり、押されていないときには電気的にOFFになります。このプッシュスイッチの特徴は脚が3本あることです。
このほかにも「ロータリースイッチ」というものがあります。脚が5本出ていて、ロータリースイッチを0 → 1 → 2 → …… → E → F → 0 → 1のように回すと、5つの脚のうち4本がその変化に応じて電気的にH(High)になったり、L(Low)になったりします(関連情報参照)。(次回に続く)
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⇒ | ロータリースイッチ(出典:秋月電子通商) |
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