ecloxとdoxygenで仕様書メンテナンスの効率をUP!生産性向上への道 Eclipseで行うC/C++開発(4)(3/4 ページ)

» 2007年11月28日 00時00分 公開
[小泉健(NEC) ,@IT MONOist]

doxygen構成ファイルの作成

 次に、doxygen構成ファイルを作成します。

 doxygen構成ファイルとは、doxygenの生成するドキュメントのフォーマットを決定するテキスト形式の定義ファイルで、以下のような記述ルールを持っています。

doxygen構成ファイル記述ルール
・パラメータ名 = 設定値 のプロパティ形式で記述
・先頭を#で始めるとコメントと見なされる
・「@INCLUDE = 別設定ファイル名」で別の設定ファイルを読み込むことができる

 詳細は後述しますが、以下のようなdoxygenの出力に関する設定が可能です。

パラメータ名 説明
PROJECT_NAME プロジェクトの名称を設定
OUTPUT_DIRECTORY ドキュメントを出力するディレクトリを設定
OUTPUT_LANGUAGE 出力に使用する言語
(日本語 → Japaneseを指定)

 ecloxでは、doxygen構成ファイルのひな型を作成するウィザード機能を提供しているので、この機能を利用して、まずはdoxygen構成ファイルのひな型ファイルを作成します。

 [C/C++ プロジェクト]ビューから「sample」プロジェクトを右クリックし、[新規]−[その他]を選択します。「新規」ウィザードが起動するので、[その他]−[Doxyfile]を選択し、[次へ]ボタンを押下します(画面2)。

「新規」ウィザード ダイアログ 画面2 「新規」ウィザード ダイアログ

 「Doxygen Configuration」画面が起動するので、ファイル名に“Addtion.doxyfile”と入力し、[終了]ボタンを押下します(画面3)。

[New Doxygen Configuration]ダイアログ 画面3 [New Doxygen Configuration]ダイアログ

 [C/C++ プロジェクト]ビューに「Addtion.doxyfile」が追加されていることを確認します。これが「doxygen構成ファイルのひな型」になります(画面4)。

Addtion.doxyfileが追加された様子 画面4 Addtion.doxyfileが追加された様子

 そして、「Addition.doxyfile」をダブルクリックし、「doxygen構成ファイル」編集用のエディタを開きます(画面5)。ecloxではこのようにdoxygen構成ファイル専用エディタを提供しているので、doxygen構成ファイルを効率的に編集することが可能になります。

「doxygen構成ファイル」編集用のエディタ 画面5 「doxygen構成ファイル」編集用のエディタ

 まずは「Basic」タブで以下の基本情報を入力します。

パラメータ名 設定値 意味
Project Name Addition プロジェクト名
Version or Identifier 1.0 プロジェクトのバージョン番号
Output Directory documents ドキュメント生成ディレクトリパス
Input directories src ソース格納ディレクトリ

 次に「Advanced」タブにて基本情報以外の詳細情報を設定します。「doxygen構成ファイル」編集エディタの「Advanced」タブは画面6のように2つのパネルから構成されます。左側を「パラメータ表示部」と呼び、設定したいパラメータを選択します。そして、右側を「パラメータ編集部」と呼び、選択したパラメータを編集します。

「doxygen構成ファイル」編集エディタの「Advanced」タブ 画面6 「doxygen構成ファイル」編集エディタの「Advanced」タブ

 また、「パラメータ表示部」の上部にはカテゴリ選択のためのボタンがあり、パラメータを絞り込んで表示することが可能です。

カテゴリ選択ボタン 説明
All すべての設定項目が表示されます
By Group プルダウンから設定項目のグループを選択することで、該当グループに属する項目の一覧が表示されます
Custom 入力欄に設定した文字列を含む設定項目の一覧が表示されます(過去の入力文字列はプルダウンから選択することができます)
Modified これまで変更した項目の一覧が表示されます

 そして、「Advanced」タブでは以下のパラメータを設定します。

カテゴリ パラメータ名 設定値 意味
Project Output Language Japanese ドキュメント生成言語
Build Extract All YES ドキュメント生成の対象。YESの場合はPrivate変数やStatic変数までドキュメント生成の対象とする
HTML Output Generate Tree View YES ドキュメントのインデックスを作成するかどうか

 「パラメータ表示部」で「Output Language」を選択すると、画面7のように「パラメータ編集部」が表示されるので、テキストボックスに「Japanese」と入力します(値が変更されたマークとして、*が付与されます)。

「Output Language」を選択し、「Japanese」と入力 画面7 「Output Language」を選択し、「Japanese」と入力

 次にExtract Allを設定します。「By Group」ボタンをクリックします。グループ指定画面に変更後、コンボボックスで「Build」を選択します。その後に「Extract All」を選択して、「パラメータ編集部」にて「Yes」をチェックします(画面8)。

Extract Allの設定 画面8 Extract Allの設定

 最後に「Generate Tree View」を設定します。「Custom」ボタンをクリックし、カスタム指定画面にて「Generate」と入力します。“Generate”で始まるパラメータ一覧が表示されるので、その中の「Generate Tree View」を選択して、「パラメータ編集部」にて「Yes」をチェックします(画面9)。

Generate Tree Viewを設定 画面9 Generate Tree Viewを設定

 すべての値を設定したら、「Modified」ボタンを押下します。すると、変更した値の一覧が表示されます(画面10)。

変更した値の一覧が表示される 画面10 変更した値の一覧が表示される

 画面10のようになっていたら、ファイルを保存し、「Modified」の一覧に何も出力されていないことを確認します。

 以上で、doxygen構成ファイルの作成は完了です。

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