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日本のMaaS市場は2030年に2兆8600億円に、2018年比3.5倍モビリティサービス

富士経済は2020年3月10日、日本国内のMaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)市場の調査結果を発表した。所有からシェアへの移行やライフスタイルの変化から、2030年のMaaS市場は2018年比3.5倍の2兆8658億円に拡大すると見込む。MaaSの中でもカーシェアの市場規模は大きく成長し、同11.9倍の4555億円となる見通しだ。

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 富士経済は2020年3月10日、日本国内のMaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)市場の調査結果を発表した。所有からシェアへの移行やライフスタイルの変化から、2030年のMaaS市場は2018年比3.5倍の2兆8658億円に拡大すると見込む。MaaSの中でもカーシェアの市場規模は大きく成長し、同11.9倍の4555億円となる見通しだ。

 MaaS市場のけん引役となるのは、都市部の若年層を中心に、所有するものからシェアするものへクルマに対する意識の変化が起きていることだ。これにより、カーシェアやレンタカーの市場規模が拡大するという。また、シェアサイクルのステーション整備が基本方針に組み込まれた自転車活用推進法の施行により、地方自治体でのシェアサイクル導入も進むと見られる。さらに、シェアサイクルのステーションを活用する形で、シェアバイクの拠点数も増加していくとしている。

 カーシェアは、ステーションの新設や会員数の増加によって市場規模が拡大する。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けてカーシェア事業者がステーションを増やしている。現状では自家用車の保有が少ない首都圏の利用者が中心だが、カーシェア事業者は全国でステーションの展開を強化する。立地のいいエリアにステーションを設けるため、駅や空港に隣接した駐車場、バスターミナル、ガソリンスタンドなどと併設するための協業も進む。また、カーシェアの法人会員の増加も市場をけん引する。現在は個人利用が7割近くを占めるが、社用車の保有を必要最低限に抑え、必要に応じてカーシェアを利用するスタイルが浸透し、法人利用の比率が上がる。

 駅や空港におけるMaaS利用者数についても試算した。カーシェアの普及などにより、MaaSの利用者が増える。駅利用者のうち、2030年にカーシェア利用者が4992万人(2019年見込みは504万人)、レンタカー利用者は8619万人(同3789万人)となる見通しだ。空港利用者の場合は、2030年にカーシェア利用者が1895万人(同171万人)、レンタカー利用者が2436万人(同753万人)に増加する。

 配車サービスの市場規模は、2018年比4.0倍の1兆2000億円に拡大する。この金額はタクシー事業者が展開するサービスによる乗車料金や送迎料金の総額となる。タクシー事業者が配車サービスに登録するタクシーの台数を増やしていることで市場が成長する。2019年時点ではタクシーの4割が配車サービスに登録しており、2030年にはタクシーの8割まで対応が進む。

 駐車場シェアについても調査した。個人や企業が保有する駐車スペースを事業者を介して利用希望者に貸し出すサービスで、ソフトバンクやNTTドコモなどが参入した。イベント開催時などの一時的な駐車場需要に対応するビジネスとして普及している。個人宅の駐車スペースや既存の月極駐車場など駐車場シェアの対象となるインフラが膨大なため、サービスへの登録増加に伴って市場が成長するとみている。現状では、駐車場シェア事業単体で収益が上げにくく、料金体系の見直しやサブスクリプション化による固定収入の拡大などが課題になるとしている。2030年の駐車場シェアの市場は、2018年比11.3倍の360億円を見込む。

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