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「Windows 10 IoT Core」の現状とラズパイ3へのインストール(2/3 ページ)

「Windows Embedded」から「Windows 10 IoT」へと刷新されたマイクロソフトの組み込みOS。プレビュー版の提供開始から1年近くが経過し、ようやくその全貌が見えてきた。連載ではWindows 10 IoTの「今」をエンドデバイスとともに確認していく。

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 準備が整ったらWindows 10 IoTの準備に取り掛かる。こちらのWebサイトからダウンロード可能だが、本稿を執筆している7月2日時点のWindows 10 IoT Core バージョン1511は、Raspberry Pi 2/MinnowBoard Max/DragonBoard 410cにしか対応していない。

 Raspberry Pi 3がターゲットデバイスの場合、必然的にWindows 10 IoT Insider Preview ビルド14366もしくはビルド14342を選択しなければならない。最後にデバイスの選択を促されるので「Raspberry Pi 2」を選択する。これでファイルのダウンロードが可能だ。

 ちなみにビルド14342からビルド14366の相違点はリリースノートGitHubソースコードに記載されたコメントから確認できる。以下はその内容を意訳したものだ。もっとも筆者が試した限りではビルド14342で64GBのMicro SDカードでは起動に失敗するケースが散見されたが、ビルド14366に更新したところ、現時点で起動しないといったトラブルには遭遇していない。

ビルド14366の特徴

  • SDKの互換性問題を解決
  • Raspberry Pi 3のネットワーク問題を修正
  • FTPサーバ(FTPD)を既定で無効に
  • Windows 10 IoT Coreのバグフィックス

ビルド14366の既知の問題

  • Minnow Board Max使用時は起動時の問題を解決するため、ファームウェアをバージョン0.92以降に更新することを推奨する
  • デバッガー有効時にアプリケーションを実行すると、オーディオ再生のパフォーマンスが低下する
  • Raspberry Pi 3でオーディオ録音に失敗することがある
  • 音声認識と音声再生が失敗するケースがある
  • Dragon boardとRedstone 1 SDKの組み合わせでは画像生成に失敗するケースがある
  • 現在のWDKではWin 10 IoT Core用ドライバーをコンパイルできない場合がある
  • Raspberry Piと32GB以上のパーティションを作成したMicro SDカードの組み合わせでは起動に失敗する

 さて、Windows 10の稼働するPCにダウンロードしたISOファイル( Windows10_InsiderPreview_IoTCore_RPi_ARM32_en-us_14366.iso )をダブルクリックし、仮想ドライブとしてマウントしたら、「 Windows_10_IoT_Core_for_RPi2.msi 」をダブルクリックで実行する。

 続いて「Windows 10 IoT Core Dashboard」を起動し、<新しいデバイスのセットアップ>を選択。「デバイスの種類」を<カスタム>に変更して、Micro SDカードをPCに接続してから、次にフラッシュメモリに書き込むイメージファイルとして「C:\Program Files (x86)\Microsoft IoT\FFU\RaspberryPi2\flash.ffu」を選択すればよい。画面の指示に従って進めれば、Dism.exeによってWindows 10 IoT CoreのイメージファイルがMicro SDカードに展開される。

ダウンロードしたISOファイルをマウントし、中にあるmsi形式ファイルをダブルクリックで実行する
ダウンロードしたISOファイルをマウントし、中にあるmsi形式ファイルをダブルクリックで実行する
イメージファイルの選択などを終えてから、<ソフトウェアライセンス条項に同意する>をチェックし、<インストール>→<続ける>とボタンをクリックして展開する
イメージファイルの選択などを終えてから、<ソフトウェアライセンス条項に同意する>をチェックし、<インストール>→<続ける>とボタンをクリックして展開する

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