NECが福島で実証中の「物体指紋認証」とは、プリント基板を横から見ると……:DMS2016
NECは、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」において、「ものづくり見える化ソリューション」の1つである「物体指紋認証による個体識別」のデモンストレーションを披露した。
NECは、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」(2016年6月22〜24日、東京ビッグサイト)において、「ものづくり見える化ソリューション」の1つである「物体指紋認証による個体識別」のデモンストレーションを披露した。
同社が同年6月22日に発表したものづくり見える化ソリューションは、2016年10月に「スループット見える化」「品質見える化」「オペレーション見える化」といったメニューによる販売を始める計画だ(関連記事:NECのモノづくり「見える化ソリューション」、自社工場での実証結果を商品化)。これらに加えて、2017年度上期の投入を予定しているのが物体指紋認証による個体識別になる。
物体指紋認証は、人間1人1人で異なるといわれる指紋と同じように、モノにも1つ1つ異なる物体指紋が存在するという考え方に基づいている。その物体指紋をカメラなどで撮影してデジタルデータ化し、バーコードやRFIDに代わる個体識別の用途に利用しようというものだ。
今回披露したデモは、実装ラインに流すプリント基板の切断面を物体指紋に用いている。ラインを流れてきたプリント基板の切断面を横方向からカメラで撮影し、その画像と製造IDをひも付けて個別認証を実現している。これは、現在、NECで通信機器を製造している福島工場の実装ラインで実証が進められている内容とほぼ同じになる。「バーコードやRFIDを使うよりも作業を効率化できている」(同社の説明員)という。
物体指紋としては、プリント基板の切断面の他、ボルトやネジの頭部の上面などが考えられる。なお、プリント基板の切断面の場合、高温プロセスであるリフロー工程を経ると物体指紋が変形する可能性がある。NECの福島工場の実証では、リフロー工程のような加熱プロセスが絡まないところで利用しているということだったが、今後は熱などによる物体指紋の変形への対策は課題になってくるだろう。
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