2026年大会でレスキュー工学大賞を受賞したのは「レスキューHOT君」(近畿大学 ロボット工作研究会)だった。
同チームにロボットのコンセプトを尋ねると、返ってきた言葉は「一番は優しさ」だった。レスキュー工学大賞は、コンセプト、技術力、組織力などを総合的に評価するレスコン最高位の賞であり、「どのように優しく救助するか」も重要な評価軸となる。
例えば、3号機「マンモス」は高柔軟TPU(熱可塑性ポリウレタン)製タイヤを採用し、走行時の振動がダミヤンに伝わりにくいよう工夫されている。救助機構には左右独立で動くダブルベルトコンベヤーを備え、ダミヤンを斜めに収容してもベルトコンベヤーの操作で姿勢を修正できる。階段では、頭が下がり続けないよう救助機構の角度を変え、できるだけ水平を保って搬送する。
このレスコンで作られたロボットが、そのまま災害現場で使われるわけではない。それでも、競技で何度も試行錯誤し、想定外の事態に向き合った経験は、将来の技術開発につながっていくだろう。
かつてレスコンでダミヤンを救助していた学生が、今は本物の消防ロボットを開発している。そして今大会で「優しさ」を形にした学生たちの中からも、将来、災害現場で人命救助に携わるロボットを生み出す技術者が育っていくことに期待したい。
レスコンは今回で26回目を迎えた。審査講評では、25回を一つの区切りとして「次の25年」が始まるとの言葉もあった。競技フィールドと実災害の間にある距離を、一気に埋めることはできない。しかし、技術を試し、人を育て、現場とつなぐ。その積み重ねがレスコンの役割なのだろう。
その歩みは、今も着実に続いている。
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