YKK APなどの8者は、「資源循環型社会構築に向けたアルミニウム資源のアップグレードリサイクルの実用化開発」の研究開発を開始した。社会実装に向け、量産規模でのプロセスの自動化や長時間鋳造の検証、サプライチェーンへの適合を進める。
YKK APは2026年8月4日、UACJ、神戸製鋼所、アサヒセイレン、エイゾス、本田技術研究所、東洋製罐、日本アルミニウム協会と、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択された事業「資源循環型社会構築に向けたアルミニウム資源のアップグレードリサイクルの実用化開発」の研究開発を開始したと発表した。
同事業は、NEDOの「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に採択。期間は2026年度から最長で2031年度までとなる。
2021〜2025年度に実施したNEDO補助事業では、アルミニウムの不純物元素の低減技術、不純物元素を無害化する高度加工技術などを開発し、これらの基盤技術を確立。また、UACJと東京科学大学は、縦型高速双ロール鋳造(縦型CC)実験機を用いた研究でアルミリサイクル材を用いた展伸材製造の技術基盤を得ている。
今回の事業では、この基礎研究から実用化開発、実証開発のフェーズへと移行する。社会実装に向け、量産規模でのプロセスの自動化や長時間鋳造の検証、サプライチェーンへの適合を進める。
具体的な技術開発は、純化精製(不純物除去)、縦型CC(不純物無害化)、プロセスDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入、ユーザー評価、規格化の推進の5項目だ。
純化精製では、溶解から圧搾までの工程を自動化し、効率的に処理するための検証を実施。不純物分離条件の解析と設計、生産した再生アルミ塊の性能評価を量産規模で行う。縦型CCでは、連続鋳造技術を確立し、実証機で各分野の合金種の最適製造条件を解明する。同時に、試作した薄板の特性評価を実施する。
また、AI(人工知能)やデータサイエンスを活用したプロセスDXでは、合金組成や鋳造条件から板特性を予測するモデルを構築。実証機や量産機で最適製造条件の探索を支援する。ユーザー評価では、本田技術研究所、デンソー、東洋製罐が実際の製品への適用に向けた品質検証を実施。リサイクル合金の規格化に向け、データ収集や特許調査も進める。
今後は、2032年度以降の量産化を目指し、実用化開発と実証開発に取り組む。同技術の普及により、2040年度には純化精製で年間4.8万トン(t)、縦型CCで年間16.7万tのリサイクルアルミの製造が可能になる。これにより、年間で原油16万8700kL相当の省エネルギー効果を創出し、アルミ産業全体の脱炭素化を推進する。
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