日本TCSは「IT主権」と「AI主権」の確立を支援 5つの柱で社内外の業務変革を推進製造ITニュース(1/2 ページ)

タタ コンサルタンシー サービシズ(TCS)の日本法人である日本タタ コンサルタンシー サービシズ(日本TCS)は、同社が2024年に掲げた事業戦略「3×3戦略」の現在地や日本におけるAI活用の課題、顧客支援や自社変革に向けた取り組みについて説明した。

» 2026年08月25日 07時15分 公開
[坪田澪樹MONOist]

 タタ コンサルタンシー サービシズ(TCS)の日本法人である日本タタ コンサルタンシー サービシズ(日本TCS)は2026年8月5日、東京都内で会見を開き、日本における事業概要と2026年度の事業戦略について説明した。

日本TCSが掲げる「3×3戦略」の現在地について

日本TCSのサティシュ・ティアガラジャン氏 日本TCSのサティシュ・ティアガラジャン氏

 日本TCSは、2026年3月までに10億ドル企業を目指す「3×3(スリー・バイ・スリー)戦略」を2024年に掲げた。同社は「AIとクラウド」「IoT&デジタルエンジニアリング」「サイバーセキュリティ」の3つのサービス領域と、「日本企業のIT子会社」「SAP、AWS、Microsoftなどのハイパースケーラーとのパートナーエコシステムの構築」「グローバルに事業を展開する日本企業の課題解決の支援」の3つを成長領域と捉え、これまで事業を展開してきた。

3×3戦略の概要と変化するビジネス環境 3×3戦略の概要と変化するビジネス環境[クリックして拡大] 出所:日本TCS

 同社は2024年度に売上高1000億円の壁を突破した。日本のさまざまな顧客と強い関係を築いており、四国には愛媛県および同県松山市と連携してデジタルイノベーションハブを開設している。さらに構想策定から本番導入までAI(人工知能)の包括的な活用を支援するために、AI専任のCoE(センターオブエクセレンス)である「AI CoE」を拡大したり、顧客がAIやロボティクスソリューションを体験/共創するための拠点として「TCS AI Studio」を開いたりするなど、顧客のAI活用支援に注力している。また、これを実現するために同社内ではAI-readyな人材育成を進めている。

 日本TCS 代表取締役社長のサティシュ・ティアガラジャン氏は「われわれの3×3戦略は今もなお有効であり、『コスト最適化&効率化』『成長&変革サービス』の2つの成長エンジンによって推進している。AIの成熟によってコスト最適化と成長変革を同時に成し遂げることが可能であり、全てのサービスにAIを組み込むAIファーストのサービス戦略を展開している。また、日本企業専用のデリバリーセンター(JDC)、グローバルケイパビリティセンター(GCC)を活用して顧客にサービスを提供する」と語る。

日本TCSの方針 日本TCSの方針[クリックして拡大] 出所:日本TCS

多くの日本企業でAI活用がPoC止まりになってしまう原因とは

日本TCSの森誠一郎氏 日本TCSの森誠一郎氏

 日本企業は人材不足や高齢化、複雑なレガシーシステムなどの課題解決のため、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しているが、それを加速させるためにAIに注目が集まっている。ただ、業務に導入しようとしているが、PoC(概念実証)の段階で止まってしまうケースが多いという。日本TCS シニアバイスプレジデント最高執行責任者(COO) グローバルコンサルティングプラクティス統括本部長の森誠一郎氏は「『AIを動かすために必要な肝心のデータが整理されていない』『Human(人間)+AIの業務プロセスを作ろうとしたものの、プロセス構築をアウトソーシングしていたため、社内で自社プロセスを把握できていない』という問題が噴出しており、AI活用がPoCの段階で止まってしまっている」と分析する。

 優れたAIモデルを導入してデータを活用しようとしても、肝心なデータが既存の基幹システムの中や各社員のPC内などに点在しており、これを活用する業務フロー自体が複雑怪奇になっていることが多い。この部分を企業自らが改善しない限り、AIを活用した“自律的なAI企業”は作りようがないと日本TCSは捉えており、顧客提案の際にはまず「IT主権を確立する必要性」を訴えているという。

AI時代におけるIT主権の必要性[クリックして拡大] 出所:日本TCS

 「この“主権”という話は、実はユーザー企業だけでなく、TCS自身にとっても極めて切実な問題である。他の特定のプラットフォームに完全に依存していると、サービスがコモディティ化し、われわれ自身のノウハウやデータも全て吸い取られてしまうリスクがある。そのためわれわれ自身も、AIモデルやそれを支えるAIデータセンター、GPUといった基盤をしっかりと自社の手元に押さえた上で、それらをベースに顧客とともに『IT主権』と『AI主権』を構築するというアプローチを取っている」(森氏)

 このような背景を踏まえて、日本TCSはITとOTをワンストップで提供できる点に強みを置いている。「AI for Business のニーズ」と「AI for IT のニーズ」の2つの観点に注力し、専門知識やパートナーエコシステム、AIケイパビリティを活用して顧客のビジネス変革を支援している。

日本TCSの市場アプローチ[クリックして拡大] 出所:日本TCS
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