Octaveは日本を重要な市場と捉えており、“日本らしい明確なユースケース”を打ち立てていく方針だ。アラダイス氏は「日本は成長地域であり、重要インフラや製造、エネルギーといったさまざまな領域/産業においてリーダーシップを発揮している。また、インフラ資産の老朽化や労働人口の減少、高齢化が進んでおり、これによってプレッシャーがかかっている状態であり、これに対処する必要がある」と語る。
Octaveは日本市場において大きく分けて3つの領域に注力している。1つ目は化学や石油化学、石油/ガスから成る「コア市場」だ。同市場は日本における事業基盤となり、現在は日本国内の70拠点でOctaveの「Tempo(j5)」が活用されている。
2つ目は「新規成長市場」だ。特に鉄道輸送、発電といった分野を新たな成長市場として捉えている。これらの分野では資産パフォーマンスや運用のレジリエンス、DX(デジタルトランスフォーメーション)に注目が集まっており、企業の資産管理やエンジニアリング情報などのソリューションに対する強い需要が生まれている。
3つ目は「EPC(エンジニアリング/調達/建設)と大型投資プロジェクト」だ。日本のエンジニアリング企業と連携しながら、エンジニアリング設計を超えて建設や運用のワークフロー支援を拡大している。
Octaveの日本法人である日本インターグラフ 代表取締役の田代弘二氏は「歴史的にOctaveは、特にEPC市場におけるエンジニアリングおよび設計ソリューションで高い評価を受けてきた。今日、私たちはその伝統的な立場を超えて事業を拡大している。設計やエンジニアリングから、建設、日々の運転や保守に至るまで、資産ライフサイクル全体をつなげる大きなチャンスを見いだしている。私たちはこれを『ライフサイクルインテリジェンス』と呼んでいる。目標は、エンジニアリング、オペレーション、資産情報のサイロを打破し、企業が重要な資産のライフサイクル全体でより良い意思決定を行えるようにすることだ」と強調する。
このことを踏まえて、Octaveは「EPC支援からオーナー/オペレーターの事業環境支援への事業拡大」「ライフサイクル全体にわたるエンジニアリングデータと運用データの連携」「業務全体にわたる継続的なソフトウェア利用の拡大」「顧客の産業用AI導入に際し、信頼できる運用基盤の構築を支援」の4つの戦略的優先事項を設け、事業を展開する。また、日本における事業成長の機会が見込める領域として「鉄道輸送」「発電」「データセンター」の3つを挙げている。
日本国内の産業における今後のビジョンについて、田代氏は「日本は幾つかの大きな課題に直面している。例えば、重要なインフラは老朽化が進み、経験豊富な労働者が退職している。また、効率性やレジリエンス、意思決定を向上させる手段として、産業用AIへの関心も高まっている。しかし、AIだけが解決策ではないと思っている。本当のチャンスは、AIが効果的に活用できる『産業知識』と『運用データ』がつながった基盤を作ることにある。この部分でOctaveは独自の役割を果たす」と語る。
続けて、田代氏は「Octaveのビジョンは、日本の組織や企業が『設計/建設/運用/保護』のライフサイクル全体を通じて、単一のデジタルスレッドにデータを結び付けるという流れを支援することである。これにより、重要な専門知識の維持や信頼性の向上、性能の最適化、そして産業用AIが意味のある成果を作り出すための環境を構築する手助けを行う。最終的な私たちの目標はシンプルである。それは、日本の組織が断片化されたデータから“統合されたインテリジェンス”へ移行し、将来に向けてより安全で効率的かつ持続可能な産業運営を可能にする支援を続けることだ」と抱負を述べた。
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