「AI進化の裏でモノづくりは30年止まっている」、直列工程を並列化する産業OS製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2026年08月18日 06時45分 公開
[安藤照乃MONOist]
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バリューチェーンを網羅する6つの業務特化プロダクト

 そして、データ/セマンティクス基盤と横断プロダクトのさらに上に、設計から製造、保全に至るバリューチェーンの各工程を支える6つの業務特化プロダクトを展開する。

6つの業務特化プロダクト 6つの業務特化プロダクト[クリックで拡大] 出所:キャディ

 設計工程向けには、過去の類似設計をもとにQCD(Quality、Cost、Delivery)リスクを事前に見極めて設計意図を蓄積する流用設計シミュレーター「CADDi Composer」と、製品データ上で部門を越えた設計レビューを一元化し、AIによるチェックで手戻りを抑える「CADDi Design Review」を提供する。調達工程向けには、見積依頼から発注先決定までを一元化する「CADDi Quote」に加え、過去の実績や類似品目を比較して価格の妥当性を判断する根拠をそろえる原価査定コラボレーター「CADDi Cost Review」を用意する。さらに、生産準備工程向けには過去の不具合事例などから故障モードを網羅的に洗い出す「CADDi Process Review」、設備設計と保全工程向けには、修理や点検記録を資産化して素早い復旧を支援する設備ライフサイクル管理「CADDi ALM」を展開する。

 なお、2026年内に提供開始予定のCADDi Cost Review以外は現時点で既にリリース済みである。

 加藤氏はこのプロダクト群が生み出す循環構造の重要性について、「設計者がなぜその構成を選んだのか、調達がなぜそのサプライヤーを選んだのかといった、これまでヒトの頭の中で消えていた暗黙知こそが重要な資産になる。分断されていたデータや判断を1つの基盤でつなぎ、業務が回るほどにノウハウが蓄積され、次の一手の精度と速度が研ぎ澄まされていく」と説明する。

 蓄積された判断履歴はセマンティックレイヤーによって意味づけられ、AIが活用するデータの地図を厚くする。そのため、システムを使うほどプラットフォーム全体が賢くなる仕組みとなっているいう。顧客のCADDi導入時は、キャディの専門チームが顧客の現場に入り、確実な現場活用を支援していく方針だ。

 今後の導入戦略として加藤氏は、「顧客が持つ既存のERPなどの基幹システムをすぐに丸ごとリプレースするわけではない」と説明する。まずは現場が直面している「図面を探す手間」など具体的な課題の解消に的を絞り、現場担当者から段階的に横の部署や全社へと拡張していくことで、導入時の現場の抵抗感を抑えつつスムーズな運用定着を図る。

 「特に、グローバルに複数の拠点を持ち、拠点間や部門間でデータと業務文脈が分断されてしまっている企業において高い導入効果を発揮すると考えている。領域特化型のバーティカルAIによる産業変革の機運が高まる中、CADDiによって現場の暗黙知をデータ資産に変え、製造業の競争力を底上げする基盤としていきたい」(加藤氏)

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