お客さまから依頼いただく装置の中には、「構造自体はほとんど同じで、左右が鏡写しになっている装置を1台ずつ」というものもあります。既存装置のリピート品や、2号機扱いとなるものが多いです。
このような場合によくあるのが、エンドユーザーから「左右対称にするだけだから、設計費はほとんどかからないよね?」と言われたり、設計に詳しくない営業担当者が「左右対称にするだけですから、設計費の分だけ価格を下げられます!」と言ってしまったりするケースです。
確かに、単に3Dモデルを左右対称にするだけであれば、CADのコマンド一発で済みます。ですが、設計工数がゼロになることはほぼありません。
その最大の理由は、「左右対称にするだけで解決できるものは限られているから」です。
左右対称にできない代表的なものが購入部品です。モーター、シリンダー、ロボット、センサー、その他の制御機器などは、いくらCAD上のコマンドで左右対称にしても、現物として左右違いの型番が存在しない限り、絵に描いた餅でしかありません。
さらに、このような左右対称にできない部品があることで、次のような問題が発生します。
このような問題が発覚することは、設備設計の現場では非常に“あるある”の話です。
また、左右対称にしたことで、「右利きの人にとってはかなり扱いづらくなってしまった」というケースもしばしばあります。
元の設計を流用できるため、設計工数が少なく済む傾向にあることは確かです。ただ、実際には、左右対称にできない部分の確認や再設計など、必要な設計工数がかかることも、ぜひ認識しておきたいところです。 (次回へ続く)
りびぃ
「ものづくりのススメ」サイト運営者
2015年、大手設備メーカーの機械設計職に従事。2020年にベンチャーの設備メーカーで機械設計職に従事するとともに、同年から副業として機械設計のための学習ブログ「ものづくりのススメ」の運営をスタートさせる。2022年から機械設計会社で設計職を担当している。
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