図4に、マルチメーターに表示された周波数と、MAX6675がArduinoに渡した測定値が一致するかを検証するシステムの構成図を示します。
この検証システムでは、MAX6675が測定し得る範囲内で正しく温度の値が周波数に変換されているかを検証するため、MAX6675には熱電対センサーの代わりに疑似的に可変抵抗(VR)を用いて任意の起電圧を発生させて検証することにしました。
PCにはMAX6675が計測した温度の測定値が表示されます。これとマルチメーターの値を比べます。筆者が試したマルチメーターの場合、高い温度になると1〜2℃程度高めに表示されることがあるものの、百分率で小数点以下の誤差に収まっているようです。
前回は電圧による測定値の伝送、今回は周波数による伝送でしたが、どちらを選ぶべきか、その選択の勘所をまとめておきます。
センサーが出力する値をそのまま電圧レベル(例:0〜5V)として伝達する方式です。
センサーの値を、信号の周波数(またはパルスの時間間隔)に比例させて伝達する方式です。
表1に電圧伝達と周波数伝達の比較を示します。
| 項目 | 電圧伝達(アナログ信号) | 周波数伝達 |
|---|---|---|
| ノイズ耐性 | 低い(ノイズが誤差に直結) | 高い(ノイズが周波数に影響しにくい) |
| 伝送距離 | 短距離向き | 長距離向き |
| 回路の複雑さ | シンプルで安価 | V/Fコンバーターが必要で複雑(ただし今回の場合、もともと備わったマイコンを利用するのでこの限りではない) |
| 応答速度 | 速い | やや遅くなる傾向がある |
| 主な用途 | 近接測定、単純なフィードバック | FA、リモートセンサー、ノイズ環境 |
| 表1 電圧伝達と周波数伝達の比較 | ||
どちらを選ぶかは用途によって決まります。工場のようにノイズが多い環境や長距離伝送が必要な場合は周波数、センサーとマイコンが近く単純な読み取りがメインの場合は電圧が適しています。
前回の電圧による伝送と今回の周波数による伝送について、方法やそれぞれの利点/欠点を検討しました。組み込み開発の業務において、特に工場や屋外、さまざまな施設内をフィールドとしている皆さんには、センサーの値を伝送する案件が多々あろうかと思います。コストとのトレードオフや信頼性、パフォーマンスがどこまで求められるか、さまざまなファクターを考慮して解を見いだすのも組み込みエンジニアにとって大切です。今回の事例を参考にしてみてください。
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