顧客に提供するリソースは、IOWN APNによるネットワーク接続、複数拠点に配置可能なGPU付き仮想マシン、利用するストレージ領域の3点だ。顧客は自社のデータやワークロードを持ち込み、分散AI学習や分散AI推論、RDMAを活用した拠点間の大容量データ転送などを実機で評価できる。また、同年10月からはKubernetesに対応したクラスタリング方式の提供も予定しており、マルチテナント環境での効率的な共同利用が可能になる。
提供対象は、分散AI学習や推論などの実証を検討している企業や研究機関の他、GPUリソースの複数拠点への分散配置や低遅延ネットワーク上でのGPUクラスタ活用を検討中の組織を想定している。実際の導入ステップは、利用条件の整理からテストベッドでの実機検証、本格導入の意思決定へと段階的に進められる。NTTドコモビジネスは単なるツール提供にとどまらず、検証の設計から実環境での性能測定、システム上のボトルネック特定といった分析支援までを伴走する構えだ。
NTTドコモビジネスは、本テストベッドを通じて得られた知見を基にパートナー企業との連携を深め、将来的な商用GPUサービスへの展開を進めていく。AIモデルのさらなる大規模化を見据え、ネットワーク帯域についても商用導入の実績がある400Gbpsや800Gbpsへと順次拡大していく計画だ。野山氏は「データセンターの分散化という将来の絵姿を描けずにいた企業にとって、この実証環境が実現に向けた新たな選択肢になる」と自信を見せた。
今回の取り組みは、NTTドコモビジネスが掲げる「AI-Centric ICTプラットフォーム」構想の実現に向けた試金石となる。さらにその基盤には、NTTグループ全体で推進するAIネイティブインフラ「AIOWN」の中核構想が据えられており、次世代の分散AI基盤の社会実装を推し進めていく方針だ。
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