デジタル端末分野では、オプトロニクス技術を活用し、AI(人工知能)/ARスマートグラスにおいてビジネス領域の拡大を狙う。VRからAIスマートグラスにトレンドが移ることを見据え、成長ドライバーとして、ホログラムによる導光技術や超低屈折材料、ARグラス向けフレキシブルプリント基板などを提供する。
同分野では、スマートフォン市場で生じるフォルダブル(折りたたみ)型への移行を踏まえて、成長ドライバーに据えた光学用透明粘着(OCA)シートも展開する。フォルダブルスマートフォンは、曲性や耐衝撃性を備えるために、通常のスマートフォンと比べて、光学用透明粘着(OCA)フィルムの使用量を増加する必要があり、利益の向上が見込めるという。反射防止や折り曲げ跡の解消などの課題を解消する機能を備えたOCAシートを提供する考えだ。
加えて、ハイエンドスマートフォン向けに電気剥離テープの展開を加速する。「スマートフォンのバッテリーなどを固定するための電気剥離テープを核として、ハイエンドスマホ市場における機能性接着の新たな標準を創り出していく方針だ。これにより、2025〜2030年度にかけて、ハイエンドスマホ向けテープの売上高における年平均成長率(CAGR)を17%以上とし、2028年度には500億円以上への拡大を目指す」(赤木氏)。
同社は、愛知県豊橋市の事業所に390億円を投じて、インダストリアルテープと情報機能材料を生産する新工場棟を建設する。完成は2028年1月を予定している。赤木氏は「この工場の完成により、電気剥離テープとOCAシートの生産能力を2025年度比で1.7倍とする」と触れた。
フレキシブル型太陽電池分野では、ペロブスカイト太陽電池や有機薄膜(OPV)太陽電池向けに、低抵抗かつ高透過の透明導電性(ITO)フィルムを展開する考えだ。市場の成長に合わせ、2030年度には100億円の売上高を狙う。「当社は太陽電池の『電極』としてITOフィルムを提供することを検討している。当社のITOフィルムは、長年のタッチパネル用途で培った技術により、『高透過』および『低抵抗』という特性を持っている。これがペロブスカイト太陽電池の要件に適しており、顧客からも良い評価を得ています」(赤木氏)。
車載向けディスプレイ分野では、自動車生産台数は微増となっているが、同ディスプレイの大型化などにより、堅調に成長するという。赤木氏は「これまで、車載向けディスプレイ向け製品の売上高のうち偏光板(偏光フィルム)が高いウエイトを占めていたが、今後はOCAや反射防止機能を持つ前面板、超高透過ITOといった商材のウエイトを増やしていく。これにより、2028年度、そして2030年度に向けて車載向けディスプレイのビジネスを拡大する」と述べた。
さらに、「具体的には、まず既に量産実績があるOCAを伸ばす。それに続き、前面板や超高透過ITOといった新たな部材を、2027〜2028年ごろにかけて実績化(量産・事業化)していく見通しだ」とコメントした。
デジタルインフラ分野では、データセンターなどのストレージ需要の拡大などにより、ハードディスク向けの精密回路付き薄膜金属ベース基板「CISFLEX」の販売数量が伸びるとみており、この基板を成長ドライバーとして展開する。
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