半導体やフォルダブルスマホに照準、日東電工が描く次世代の成長戦略製造マネジメントニュース(1/3 ページ)

日東電工は「2026年度会社説明会」で、半導体やフォルダブルスマホ、フレキシブル太陽電池など、各分野の中長期的な成長ドライバーが明かされた。

» 2026年06月17日 07時45分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 日東電工は2026年5月29日、東京都内とオンラインで「2026年度会社説明会」を開催し、中期経営計画(以下、中計)「Nitto RISE 2028」や中長期的な成長ドライバーを発表した。

次のハイエンド製品を生み出し続けることが最大の防衛策

 Nitto RISE 2028は、日東電工が2030年度に目指す姿である「なくてはならないESGニッチトップ企業」を実現するためのセカンドステップと位置付けられている中期経営計画だ。同計画で目標として掲げているのは、同社が作成した「Flags認定」と「ニッチトップ認定」の基準を満たす製品やサービスの創出と拡大を通じて、企業の成長を実現する点にある。

 Flags認定は、「貢献度の大きさ(必要性、けん引性、共感の声など)」「成長性、実績化、強みとの整合」を、ニッチトップ認定は、「高い業績(規模/収益性)」「トップシェアの獲得」を認定要件としている。両認定(以下、ダブル認定)を取得した製品を拡大することで、社会課題の解決と経済価値の創造を両立する。なお、ダブル認定の審査は社内認定審議会が行う。

ダブル認定の定義 ダブル認定の定義[クリックで拡大] 出所:日東電工

 2025年度の売上高に占めるダブル認定品の比率は40%だが、2030年度にはこれを50%まで引き上げることを目標としている。

ダブル認定による成長 ダブル認定による成長[クリックで拡大] 出所:日東電工

 併せて、同中計でも引き続き「ニッチトップ戦略」を推進する。同社 代表取締役 取締役社長 COO 赤木達哉氏は「当社のニッチトップ戦略ではまず、圧倒的な技術力により生産した製品をハイエンド市場で展開する。その後、ハイエンド市場向けの製品が、事業環境の変化により、ミドルエンド市場向け、ローエンド市場向けと変わっていく。ミドルエンド市場向けの製品になると、競争が厳しくなるがユーザー数が増えるため、高機能を付与したり、コスト競争力を上げたりすることで、キャッシュを稼げると考えている。最終的にローエンド市場向け製品になった場合は、事業の撤収/撤退や譲渡も考えながら、一部は特許のオープン化によりキャッシュを稼ぐ」と触れた。

 その上で、「日東電工が狙うのは一貫して『ハイエンド市場』だ。ディスプレイ材料などで経験したように、ハイエンド市場向け製品がミドル〜ローエンドの市場向けとなり、中国を中心としたサプライチェーンに移行することは前提として捉えている。われわれの戦い方は、顧客が新モデルに新しい技術を盛り込む際、『この部材は日東だ』と最初に声がかかる(ファーストコール)関係性を築き、実績を出すことだ。このスパイラルを回し続け、常に次のハイエンド製品を生み出し続けることが最大の防衛策であり競争力となる」と述べた。

ニッチトップ戦略による戦い方 ニッチトップ戦略による戦い方[クリックで拡大] 出所:日東電工

 なお、同中計では2028年度に営業利益2200億円、営業利益率20%、自己資本利益率(ROE)14%を目標に掲げている。

新中期経営計画の位置付け 新中期経営計画の位置付け[クリックで拡大] 出所:日東電工
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