住友ベークライトは、熱硬化性のDAP樹脂を活用し、耐トラッキング性および絶縁性に優れたプリプレグ/積層板を開発した。
住友ベークライトは2026年6月12日、ジアリルフタレート(DAP)樹脂を用いて耐トラッキング性および絶縁性に優れたプリプレグ/積層板を開発したと発表した。
同社は、フェノール樹脂積層板やエポキシ樹脂積層板を市場に提供してきた。これらで培った同社の配合技術を生かし、上記以外の新素材や高付加価値商品の開発にも積極的に取り組んでいる。
こうした取り組みの一環として、市場で生じている高電圧化の流れに対応するために、熱硬化性樹脂であるDAP樹脂を用いて高絶縁、高耐トラッキング性、耐熱性を有している他、高い強度を備えたプリプレグ/積層板を開発した。
今回の開発品は、耐トラッキング性の規格である「UL2597」のSTT試験において耐トラッキング性900Vの性能が確認された。また、絶縁破壊電圧や熱時含め高弾性率の特性を有しており、耐トラッキング性に加えて高い絶縁性、耐熱性、高強度も実現した。
なお、従来の耐トラッキング試験規格である「IEC 60112」に基づくCTI(Comparative Tracking Index Test)では試験電圧の上限が600Vだったが、部材の電気的特性に対する要求の高まりを受け、UL Standards & Engagementが策定した新規規格UL 2597に基づくSTT(Surface Tracking Test)では最大900Vまでの試験が可能となった。
加えて、同開発品は、高電圧環境下においても優れた絶縁性と耐久性を持つことから、絶縁材料の薄型化や導体間距離の短縮を可能にし、電気部品の小型化、薄型化、高効率化に貢献する。
具体的には、絶縁性の低い材料は十分な絶縁性を確保するために厚みが必要である一方、絶縁性の高い材料は薄型化が可能となる。さらに、耐トラッキング性(耐久性)の低い材料は、導体間の距離を短くすると導通やショートが発生する恐れがあるが、耐トラッキング性に優れた材料を使用することで導体間距離を短縮しても絶縁性の確保が可能となる。
今後は、サンプル供試を進めるとともに、同社が展開する他の高耐トラッキング製品(成形材料、粉体塗料)との連携を図り、顧客の使用形態やニーズに応じた提案を行っていく考えだ。
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