2026年1月には0〜N次サプライヤーまでのつながりを可視化する「サプライヤー連携機能」をリリースした。サプライヤーに対して無償の機能限定版IDを発行し、メーカーからの情報開示申請をサプライヤーが承認することで連携が完了する仕組みだ。これにより配下のサプライチェーンツリーが構築され、メーカーはリスク情報を無償で取得できるようになる。
なお、無償版では連携先からさらに下層のサプライヤーへ開示申請を行うことはできないため、それ以上を把握するには有償版へ移行する必要がある。
一方で、サプライヤーからの情報開示がスムーズに進まないケースへの対応策として、見えない下層のつながりを自動可視化する「AI推定BOM」のβ版テストを開始する。
同機能は、有価証券報告書などの公開データや、部品製造の一般的なノウハウをAIに学習させることで、部品調達のつながりを推論し、サプライチェーンの全体像を補完する仕組みだ。また、4月に実装した渋滞情報の表示機能に加え、6月に全国の河川/道路カメラ映像との連携、7月にSNS上の浸水情報をAI解析して可視化する機能などを順次追加していく。
こうしたプロダクト強化と事業拡大を加速させるため、Specteeは2026年6月2日、総額18億円の資金調達(E2ラウンド)を実施したと発表した。累計調達額は38億円となり、今後は急速に進むAI技術の革新を取り込み、製品開発体制を一層強化する方針だ。
今後のロードマップとして村上氏は、「対話形式で危険事象の検知や次に取るべき行動の示唆を行う『AIエージェント機能』を中核に据え、AIが自律的に対応策を提案する体制を整えていく」と語った。現在は対話型でリスク分析やレポートなどを行うAIエージェント機能を開発中で、2027年度の本格稼働を予定している。2028年度以降は、企業や業界をまたいでAIエージェント同士が自律的に連携し、データを安全に共有し合う「自律共創型ネットワークSCM」の実現を目指す。
「どこで何が起きて、自社にどう影響が出るのか。われわれはリスク情報を世界中から集め、最終的には被害を未然に防ぐ意思決定につなげていく。単なる一企業のツールにとどまらず、全体のエコシステムとして機能するソリューションを展開していきたい」(村上氏)
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