日本TCSは、多くの日本の企業がVisual BasicやCOBOLといったITアセットを活用していることに着目している。このようなレガシーシステムを利用している企業にアプローチをかけ、AI活用が可能な新しいプラットフォームに移行して、会社のデータ基盤を“AIレディ”にすること目指していく。
同社は製造業の開発や生産の現場におけるAI活用にも着目している。日本の製造現場では高齢化が進んでいる。そのため、技術承継にAIを活用し、長年の仕事で積み重ねてきた熟練作業者の暗黙知を形式化して、若手の人でも情報を活用できるようなソリューションや仕組みを提供していく。
また、AI活用に必要なクラウドとデータの環境整備にも取り組んでいく。森氏は「AI活用にはビッグデータが必要であり、これを載せるためのクラウド基盤を整えなければならない。われわれはクラウド基盤を支えるデータセンターや、データセンターの稼働に必要な半導体を含めてビジネスチャンスとして捉えている」と強調する。
従来の日本TCSは、ITサービスの提供に注力しており、半導体やデータ基盤といった領域からは距離を置いて、他のハイパースケーラーやパートナーに仕事を任せていた。この状態から同社は、インフラストラクチャの領域までサービスを広げようとしている。
これらの戦略を支えるプランとして「経験とアセット」「パートナーエコシステム」「AIの共創空間」の3つの観点でビジネスを差別化していく方針だ。
同社はこれまでに約5000のAIプロジェクトに取り組み、約18万人のAIエンジニアをリスキリングして展開できる状態であるという。これまでのプロジェクトで培った豊富な経験を生かして日本市場でビジネス拡大を目指す。
また、同社はさまざまな領域で業務提携を結んでおり、効率的なパートナーエコシステムを構築している。「例えば、データセンター向けの取り組みでOpenAIと提携しており、半導体分野ではNVIDIAと提携をしている。このように、さまざまなパートナーと組んでビジネスを展開しようとしている点はわれわれの強みである」(森氏)。
現在では、AI技術の進歩により設計書の作成やコーディング、テストを全てAIが担うなど、ITシステムの作り方が従来の方法から大きく変わっている。日本TCSでは、これからは顧客と一緒になり、トライアンドエラーを繰り返しながらアプリケーションを作成する動きが重要になると捉えている。同社は今後、システムの作り方やアプローチ方法について、従来のウオーターフォールモデルから脱却し、変革を進めていく。
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