東京農業大学は、大腸がん細胞の増殖を抑制する3つの植物由来成分を、AIを活用して特定した。膨大な論文や特許データから、がん抑制に関連するmiRNAを調節する化合物を効率的に予測した。
東京農業大学は2026年3月3日、人工知能(AI)を活用し、大腸がん細胞の増殖を抑制する新たな植物由来成分としてフィセチン、グラブリジン、シリビニンの3種を特定したと発表した。膨大な科学論文や特許データから、がん抑制に関連するmiRNA(マイクロRNA)を調節する可能性のある化合物を効率的に予測した。特定された成分が実際に大腸がん細胞の増殖を抑制し、がん関連miRNAの発現パターンを変化させることを明らかにした。
近年の研究では、果物や野菜に含まれる栄養素「ファイトケミカル」が、遺伝子の働きを調節するmiRNAの状態を改善し、健康維持に関与することが示唆されている。そこで研究グループは、既知のがん抑制成分であるレスベラトロールなどの特徴を基に、類似した性質を持つファイトケミカルをAIで予測した。
候補の中から入手可能性や安全性を考慮して選定した成分を大腸がん細胞株で試験したところ、イチゴなどに含まれるフィセチン、甘草に含まれるグラブリジン、マリアアザミに含まれるシリビニンの3種が強いがん細胞増殖抑制効果を示すことを確認した。
次世代シーケンシング法を用いた解析により、これらの成分ががん関連miRNAの発現に影響を与えることが明らかとなった。また、アポトーシスや細胞老化などがんに関連する分子経路に関わっていることも分かった。
今回の成果は、AIによるデータマイニングと実験生物学の組み合わせが、食品成分の機能性発見を効率化できる可能性を示した。今後は3D培養モデルなどを用いて体内環境に近い条件での作用を検討し、個人の状態に合わせた栄養管理戦略の構築を目指す。
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