旭化成は、日本製鉄と日鉄物産と協業し、食塩電解セルの製造工程で発生する純チタンスクラップを純チタン原料として再資源化するリサイクルスキームを構築した。
旭化成は2026年3月18日、日本製鉄と日鉄物産と協業し、食塩電解セルの製造工程で発生する純チタンスクラップを純チタン原料として再資源化するリサイクルスキームを構築したと発表した。純チタンスクラップとは、純度99.4%以上のチタン製品の加工端材や使用済み製品の廃棄物を指す。
塩素および苛性ソーダの製造に使用される食塩電解セルは、内部で塩素が発生する側(陽極室側)と苛性ソーダが生成される側(陰極室側)に分かれている。このうち、強い腐食性を持つ塩素が発生する陽極室側では高い耐食性が求められるため、耐食性に優れた純チタンが使用されている。
純チタンは、チタン製品の中で加工性に優れる一方、極めて高い純度管理が求められる素材だ。そのため、チタンスクラップを再溶解原料として使用する際には、異材/異物が混入しないように、厳格な品質管理や前処理を要する。特に、チタン加工品の製造工程で発生するチタンスクラップは、トレーサビリティーの確保や品質管理が極めて難しいことから、純チタンとしての再資源化はできておらず、鉄鋼添加材などへのオープンループリサイクル(熱回収)が中心だった。
そこで、旭化成は、食塩電解セル向けに純チタンを供給している日本製鉄と日鉄物産との協業を通じて、純チタンスクラップの一部を純チタンとして再溶解/再資源化するリサイクルスキームを構築した。
同スキームでは、旭化成が宮崎県延岡市で行う食塩電解セル製造工程において発生する純チタンスクラップについて、デジタル技術を活用した管理体制の下でトレーサビリティーを確保しながら、規格に応じて分別する。
分別されたスクラップは全て日鉄物産が回収し、再溶解プロセスの原料として適した状態へ加工する。その後、分別/加工されたスクラップの一部を日本製鉄へ戻し、純チタンの再溶解プロセスの原料として使う。
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