CLOに期待する成果としては、「法規制対応を確実に行い、リスクを回避できている状態」が15.3%でトップとなった。続いて「物流が経営アジェンダとして意思決定されている状態」が14.9%、「データに基づいた物流の現状把握」が13.5%となっている。コスト削減や現場改善といった従来の目的に加え、制度対応を起点に物流を経営戦略へ接続する役割が期待されていることが分かる。
一方で、CLO未選任の企業は課題に直面している。未選任の理由として「経営と物流の両方に精通した人材がいない」が47.4%で最多を占めた。さらに「事業部ごとに分断されており、全社統括の経験を積める環境がない」が21.1%、「物流部門が小規模、または存在せず、候補者層が薄い」が15.8%と続いており、人材個人のスキル不足だけでなく、組織構造や育成環境そのものに起因する根深い課題が浮き彫りとなっている。
自社において物流を経営会議などの議題として取り上げているかという問いに対しては、「必要に応じて取り上げている」が53.5%、「定期的に取り上げている」が25.7%であった。両者を合わせると約8割の企業が、何らかの形で物流を経営会議の議題として扱っている。物流は現場単位の業務ではなく、多くの企業で経営テーマとして明確に認識され始めている。
調査結果を踏まえてHacobuは、今後のCLOには物流の専門性のみならず、経営と現場をつなぎ、部門横断で全体最適を推進する力が求められると考察する。その実効性を高めるには、データに基づく現状把握から戦略設計、実行支援までを一貫して担う体制構築が不可欠だという。
特に製造業においては、特に製造業においては、モノ作りから販売までの一連の流れを持つことから、調達、生産、販売、物流といったサプライチェーン全体をつなぐ強力なリーダーシップが不可欠である。CLOとして経営層が深く関与し、サプライチェーンを一気通貫で管理する体制へと組織を作り変えていく必要があるだろう。
2026年4月に施行される法制度を、単なる法令対応で終わらせてしまうのか。この制度改正を契機として、物流を自社の強力な武器とし、経営戦略そのものへと昇華させることができる企業がどれだけ現れるか、今後の動向が期待される。
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