電力インフラ事業の基本戦略は、「国内変電市場のデファクト化推進」「国内送電および海外市場での新たな需要の獲得」「電力市場の課題に対するソリューション提案」となる。
「国内変電市場のデファクト化推進」では、「SICONEXのさらなるシェアの拡大」「新製品開発」「施工力不足に対応するソリューション提供」を行う。「SICONEXのさらなるシェアの拡大」では、SICONEXの増産体制構築を2026年度に完了し増産を開始する他、変電設備の更新工事(レトロフィット)用途でSICONEXの導入を推進する。SICONEXのシェア率は2025年に電力発変電で68%、民需変電で93%だった。今回の取り組みにより、2030年度に電力発変電で90%、民需変電で95%になると想定されている。
「新製品開発」では、センサー付きSICONEXによるモニタリングサービスの提供に加え、次世代SICONEXの開発/導入による価格競争力強化を実施する。「施工力不足に対応するソリューション提供」では、e-Cableの採用量拡大や高電圧電力ケーブル接続工事システム「SICOPLUS」のラインアップの充実を図る。
「国内送電および海外市場での新たな需要の獲得」では、「老朽化更新需要の獲得」「データセンター、再エネ、蓄電池案件獲得のための新サービス投入」「海外市場への展開」を実施する。「老朽化更新需要の獲得」では、66k〜154kVの送電系統の更新をターゲットに、新工法や海外メーカーとの協業品の導入による工期短縮を提案し、受注につなげる。
「データセンター、再エネ、蓄電池案件獲得のための新サービス投入」では、新サービスで154kV Y分岐接続部の工期/コスト短縮を提案し、ニーズを捉える考えだ。e-Cableの採用も拡大する。
「電力市場の課題に対するソリューション提案」では、電力インフラ市場が課題として抱える「効率化」「安全」「技能継承」をSWCC Smart Streamで解消する。SWCC Smart Streamは、「現場教育システム」「現場管理システム」「データ/デジタル処理」「製品デジタル管理」をパッケージ販売するサービスだ。同サービスの構築では、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、シミュレーションなどのDX技術と、膨大な材料データや設計技術、製造技術/ノウハウなどのSWCC既存技術が使われている。
小又氏は「今回の中計でSWCC Smart Streamの事業化に本格的に取り組んでいきたい。当社はこれまでSICONEXなどのモノ売りを中心に展開してきたが、SWCC Smart Streamを事業化することで、コト売りも行う」と述べた。
海外の通信事業では、AIの普及やハイパースケールデータセンターの構築拡大、通信トラフィック増を追い風に、戦略製品に設定したリボン状光ファイバー心線「e-Ribbon」、高速LAN用ケーブルのブランド「FLANTEC」を展開する。同事業の基本戦略は「e-Ribbon事業のグローバル展開」「e-Ribbonケーブルおよび応用製品の拡販」となる。
「e-Ribbon事業のグローバル展開」では、パートナーから光ファイバーを安定調達するとともに、北米やアジア、欧州でe-Ribbonを拡販する。「ビッグテックによるハイパースケールデータセンター構築の急増で、データセンターの配線でe-Ribbonの採用が拡大している。原料の光ファイバーは国内外で足りなくなってきているため、パートナー企業から安定調達する。自社の光ファイバーにこだわらず、さまざまな企業の光ファイバーを使ってe-Ribbonを製造していく」(小又氏)。
国内外で20億円を投資しe-Ribbonを増産し、2025年度と比べて生産能力を約7倍とする。これらの取り組みにより、海外の通信事業でROIC30%以上の高い資本効率を実現していく。
「e-Ribbonケーブルおよび応用製品の拡販」では、付加価値が高いデータセンター向けケーブル製品のグローバル生産と拡販を進める。e-Ribbonケーブル応用製品の拡販も行うこういった川下戦略で収益性を高める。
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