三菱ケミカルは、「sampe Japan 先端材料技術展 2025」で、「炭素繊維シートモールディングコンパウンド(CF-SMC)」や、研究開発を進める「パウダーインモールドコーティング(PMIC)」を紹介した。
三菱ケミカルは、「sampe Japan 先端材料技術展 2025」(会期:2025年12月3〜5日、東京ビッグサイト)に出展し、「炭素繊維シートモールディングコンパウンド(CF-SMC)」や、研究開発を進める「パウダーインモールドコーティング(PMIC)」を紹介した。
CF-SMCは、短くカットした高強度炭素繊維をランダムに配置し、熱硬化樹脂を含浸させたシート状の中間材料だ。短い炭素繊維がランダムに配置されているため、長い炭素繊維を用いたプリプレグで課題となる「特定の方向からの力に弱い」という問題を解消しており、さまざまな方向で安定した強度を発現する。短繊維をランダムに配置することで流動性も確保しており、リブやボスなど複雑な形状のパーツをプレス成形することも可能だ。三菱ケミカルでは、同材料とプレス成形を用いて、特定のパーツの量産にも対応している。
CF-SMCの標準品「STM12ON131」は、密度が1.46g/cm3、引張強度は170MPa、引張弾性率は29GPa、曲げ強度は370MPa、曲げ弾性率は26GPaとなる。
同社は現在、CF-SMCの新たなラインアップとして、「高強度/低臭気タイプ」「難燃 UL94 V-0タイプ」「高耐熱エポキシタイプ」「高強度エポキシタイプ」の開発も進めている。
高強度/低臭気タイプは、密度が1.46g/cm3、引張強度は220MPa、引張弾性率は34GPa、曲げ強度は490MPa、曲げ弾性率は31GPaとなる。難燃 UL94 V-0タイプは、密度が1.45g/cm3、引張強度は195MPa、引張弾性率は32GPa、曲げ強度と曲げ弾性率は非公表としている。
高耐熱エポキシタイプは、密度が1.52g/cm3、引張強度は320MPa、引張弾性率は37GPa、曲げ強度は500MPa、曲げ弾性率は37GPaとなる。高強度エポキシタイプは、密度が1.53g/cm3、引張強度は447MPa、引張弾性率は41GPa、曲げ強度と曲げ弾性率は非公表だ。
PMICは、繊維強化プラスチック(FRP)の成形とプライマー塗布/乾燥を連続して行う技術だ。PMICの手順は以下の通りとなる。まず、上型に粉体プライマーを噴霧する。次に下型にプリプレグ/炭素複合繊維(SMC)を充填(じゅうてん)。続けて、金型内をプレヒートして増粘させる。その後、バキュームを用いて金型内を真空脱気する。次に、プレス成形し、粉体プライマーおよびプリプレグ/炭素複合繊維(SMC)の一体化を行う。最後に、型開き/脱型して完成する。PMICで要する時間は合計20分だという。
三菱ケミカルの説明員は「塗装処理が施されたFRPを製造する手段として、従来はFRPを成形した後、表面をサンディング処理し、プライマーを塗布/乾燥させて、最後に本体塗料やクリア塗料を塗布する方法が一般的だった。この手順を簡略化し、より短時間/低コストで塗装済みFRPを得る工法がPMICだ」と強調する。なお、PMICはサンプルワークの段階だという。
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